~ 防衛・安保へのAI実装が急増、インド宇宙産業のサプライチェーン化、ロケットダイン復活 ~

2026-0103-0109まとめ

2026年1月3日から1月9日の期間、Astronaviが収録した宇宙ビジネスニュースは全94件でした。

当該週は、新年の始動とともに**「業界再編(L3Harris売却)」「インドの民間エコシステムの確立」といった構造変化を示すニュースが集中しました。また、統計上「AI・エッジコンピューティング」**カテゴリが急伸しており、宇宙安全保障の焦点が物理インフラから「知能化・サイバー防衛」へシフトしている傾向が鮮明です。


1. 主要記事(類似報道3件以上)の網羅

この期間、世界中のメディアで広く報じられた(3媒体以上で扱われた)重要ニュースは以下の15件です。

■ 企業動向・M&A・業界再編

米国防衛大手による事業ポートフォリオの再編と、歴史的ブランドの復活が注目を集めました。

  • L3ハリスが宇宙推進・電源部門の過半数株式を投資会社へ売却

    投資会社AE Industrial Partnersへ売却し、新会社「ロケットダイン(Rocketdyne)」として再出発。評価額は8.45億ドル。

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■ インド(ISROと民間エコシステム)

ISROの大型ミッション「PSLV-C62」を軸に、民間企業の参画や素材供給といったサプライチェーン全体のニュースが多発しました。

  • ISRO、LVM3で米AST社の大型通信衛星を低軌道へ投入

    1月12日のPSLV-C62打上げ概要公表。米AST SpaceMobileの衛星などを搭載。

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  • ドゥルヴァ・スペースがPSLV-C62で10件の衛星ミッションを支援する

    民間企業Dhruva Spaceが、衛星・分離機構・地上局を一括提供する「Polar Access-1」を展開。

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  • インドがPSLV-C62でAayulSAT軌道上燃料補給を実証へ

    スタートアップOrbitAIDが、軌道上での燃料・データ移送インターフェースを実証。

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  • インド企業がISROより宇宙用チタン合金インゴットの製造を受注

    PTC Industriesが重要素材の国産化を受注。「自立したインド」政策の進展。

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■ 防衛・安全保障・インフラ

米国、欧州、韓国で、物理的な衛星網だけでなく「ネットワーク」「AI」への投資が加速しています。

  • MDAスペースが米国ミサイル防衛局の次世代防衛網構築計画に参画

    全領域統合防衛「SHIELD」プログラムのIDIQ契約を獲得。

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  • CACIが米宇宙軍の基地ネットワークを最大2.12億ドルで刷新する

    ソフトウェア定義型ネットワーク(SDN)導入による近代化契約。

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  • 韓国が宇宙安保センターを本格稼働し人工知能による宇宙監視を強化

    AIを活用した24時間体制の監視と、独自偵察衛星群のデータ解析を開始。

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  • 欧州が宇宙インフラ保護を強化し衛星へのサイバー攻撃対策を本格化

    「IRIS²」計画などで量子暗号やAI検知を導入し、ハイブリッド脅威に対抗。

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  • 米宇宙軍が大型ロケット向けSLC-14整備を検討した

    ヴァンデンバーグ基地での大型打上げ能力増強に向けたRFIを発出。

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■ 宇宙製造・実験・有人活動

軌道上での「製造」や「医学的対応」など、利用フェーズの高度化を示すニュースです。

  • エイジスが軌道上材料製造設備で米半導体企業と提携

    微小重力を活用した半導体材料製造の実証に向けたパートナーシップ。

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  • 中国、宇宙ステーションで電池性能の重力影響を検証

    有人拠点「天宮」にて、リチウムイオン電池の基礎科学実験を実施。

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  • NASAが国際宇宙ステーション滞在飛行士の医療上の懸念による早期帰還を発表

    クルー1名を医療的理由で繰り上げ帰還させる異例の措置。

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■ 衛星打上げ・ロケット開発

  • イタリアが次世代レーダー観測衛星の3号機を打ち上げ初期運用を開始

    SpaceXを利用し、デュアルユースSAR衛星「CSG-3」を軌道投入。

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  • スペースXがスターシップ飛行12向け第1段組立完了を公表

    次期試験飛行に向けた地上作業のマイルストーン達成。

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2. カテゴリ別動向の深掘り

今週の特徴は、ハードウェア(ロケット・衛星)と同等以上に、データ処理やエネルギー技術への関心が高まった点です。

① AI・エッジコンピューティング(11件)

前週比で急増した注目カテゴリです。安全保障分野での採用に加え、商業的な軌道上処理の動きが見られます。

  • 傾向: 「監視・防御」の自動化が主戦場となっていますが、スタートアップによる資金調達も確認されています。

  • 記事例:

    • 韓国宇宙安保センターでのAI監視導入

    • 欧州における衛星サイバー攻撃検知へのAI活用

    • TakeMe2Spaceが軌道上計算構想で500万ドルを調達(ブラウジングリストより)

② 輸送・打上げ・ロケット(13件)

依然として最大のボリュームゾーンですが、内容は「大型化」と「民間開放」に二極化しています。

  • 傾向: SpaceXの独走(Starlink/Starship)に対し、各国が自律性の確保やニッチ市場(相乗り)で対抗する構図です。

  • 記事例:

    • SpaceX Starship飛行12準備

    • ISRO PSLV-C62ミッションの民間活用

    • 韓国の宇宙新興企業が2026年の打上げ計画を加速(ブラウジングリストより)

③ エネルギー・資源(7件)

宇宙機寿命の延伸や、高性能化に直結する電源技術がトピックとなりました。

  • 傾向: 基礎研究(中国)から、実用化を見据えた軌道上給油(インド)、市場予測まで幅広い情報が出ています。

  • 記事例:

    • 中国宇宙ステーションでの電池実験

    • OrbitAIDによる軌道上燃料補給実証

    • 宇宙用電池市場は2025年に3億ドル規模へ到達予測(ブラウジングリストより)


3. 国・地域別動向の深掘り

米国の一極集中は変わりませんが、インドの躍進と「アジア域内連携」が目立った週でした。

🇺🇸 米国(45件):防衛と商用の「深化」

全体の約半数を占め、特に防衛産業の再編とインフラ更新が活発です。

  • 重要動向: L3Harrisのロケットダイン売却に見られるように、防衛大手は「選択と集中」を進めています。一方、宇宙軍はCACIへのネットワーク発注やSLC-14整備など、足元の運用基盤強化に巨額を投じています。

  • 記事例: L3Harris事業売却、CACIネットワーク受注

🇮🇳 インド(12件):エコシステムの「開花」

記事件数で2位を維持。特筆すべきは、ISRO(官)のミッションに、Dhruva SpaceやOrbitAID、PTC Industriesといった民間企業(民)が具体的役割を持って参画している点です。

  • 重要動向: これまで「計画」だった民間の宇宙参入が、「受注・打上げ・運用」の実績フェーズに入りました。また、タイの衛星(THEOS-2A)打上げを受注するなど、グローバルサウスの宇宙ハブとしての地位を固めつつあります。

  • 記事例: PSLV-C62関連の民間連携

🇪🇺 欧州(広域含む 約10件):セキュリティと連携

  • 重要動向: イタリアのCSG-3打上げ成功に加え、EUレベルでの「サイバーセキュリティ・宇宙法」整備の動きが顕著です。技術面ではアイルランドの研究所がESAと連携するなど、国境を越えた分業体制が機能しています。

  • 記事例: イタリアCSG-3打上げ、EUサイバー対策、ティンダル研究所の部品信頼性試験(ブラウジングリストより)

🇰🇷 韓国(4件):AI・安保への特化

  • 重要動向: 件数は少ないながらも、「AI×宇宙安保」という最先端トレンドに国家リソースを集中させています。

  • 記事例: 宇宙安保センター稼働