※ 編集方針と主要記事の選定基準
本レポートの「主要ニュース(Top Stories)」は、編集部の主観を排し、世界中の宇宙関連ニュースから「同一テーマを扱った類似記事の件数」を独自集計し、客観的な基準で選定している。
複数のメディアや機関が同時期に報じた事象は、業界全体に与えるインパクトが大きく、重要度が高いと判断するためである。

Weekly Summary(今週のサマリ)

今週(2/7〜2/13)は、宇宙輸送インフラの運用実績と、アジア勢による安全保障・産業基盤の強化が際立った。

最大の焦点は、米ULA「バルカン」ロケットの打ち上げである。固体ブースターの破損という重大トラブルを抱えながら軌道投入を完遂した事象は、機体の自律制御能力の高さを示すと同時に、国家安全保障打ち上げ(NSSL)供給網に潜むリスクを浮き彫りにし、34件の報道を集めた。一方で、SpaceXは新設着陸帯を用いた「Crew-12」の打ち上げ(16件)欧州はアリアン64の初成功(7件)など、次世代輸送インフラの運用が着実に進展している。

また、インドではIN-SPACeによる民間衛星バス開発企業の選定(12件)宇宙AIデータセンター構想(10件)が報じられ、中国では対衛星マイクロ波兵器の開発(11件)再使用型宇宙船「神龍」の4回目打ち上げ(10件)など、アジア諸国が民間エコシステムの成熟と宇宙防衛能力の高度化を急速に推し進めている構図が可視化された。


Data Dashboard(今週の統計データ)

今週収集された宇宙産業ニュース(総計115件)の構成は以下の通り。

◆ カテゴリ別 記事件数

  • 宇宙機関連ハード・サービス:54件
  • 政策・企業・市場:41件
  • 施設・インフラ:8件
  • エネルギー・資源:3件
  • サブシステム・部品:2件
  • その他(研究・展示会等):7件

◆ 国・地域別 記事件数

  • 米国(共同事業含む):約 52件
  • 欧州広域・各国(英・仏・独 等):約 20件
  • インド:10件
  • 日本:7件
  • 中国(共同事業含む):約 8件
  • その他アジア・オセアニア:約 18件

Top Stories(主要ニュース)

1. 米ULA「バルカン」、ブースター破損トラブル発生も軌道投入に成功

【同一テーマ記事:34件】

米宇宙軍のミッション「USSF-87」において、ULAの「バルカン」ロケットが打ち上げ上昇中に固体ロケットブースター(SRB)1基を損傷する異常が発生した。しかし、機体は推力不均衡をリアルタイムで検知・補正し、搭載衛星の予定軌道投入には成功した。ミッションは完遂されたものの、安全保障打ち上げにおける主要部品の異常として原因究明が進められている。

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2. 米SpaceX、ISS有人船「Crew-12」打ち上げ成功 新設着陸帯LZ-40を初運用

【同一テーマ記事:16件】

SpaceXは、NASA等の宇宙飛行士4名を乗せた「クルードラゴン」をFalcon 9ロケットで打ち上げた。第1段ブースターは、発射台隣接の新設エリア「Landing Zone 40 (LZ-40)」に初着陸を果たし、機体回収と再整備のリードタイムを劇的に短縮する地上運用の新たなフェーズを示した。

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3. 印IN-SPACe、衛星バス開発で新興3社を選定 相乗りサービス加速

【同一テーマ記事:12件】

インド宇宙促進認可センター(IN-SPACe)は、ホステッド・ペイロード(相乗り)サービス向けの汎用衛星プラットフォーム開発企業として、国内スタートアップ3社を選定した。衛星バスとペイロードを分離し、民間主導で「衛星バスのサービス化(SBaaS)」を確立する狙いがある。

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4. 中国、対衛星用「高出力マイクロ波」装置を開発 小型化に成功

【同一テーマ記事:11件】

中国の北西核技術研究所(NINT)が、最大20ギガワット級のパルスを発生させる高出力マイクロ波(HPM)兵器の開発と小型化に成功したと報じられた。物理的破壊ではなく電子機器を焼き切る「ソフトキル」を想定しており、低軌道の巨大衛星網(メガコンステレーション)に対する脅威となる。

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5. 中国、再使用型宇宙船「神龍」4回目の打ち上げ成功 運用間隔を短縮

【同一テーマ記事:10件】

中国の再使用型実験宇宙船「神龍」が、長征2号Fロケットにより4回目の軌道投入ミッションを開始した。前回の帰還から約17ヶ月での再打ち上げとなり、機体のメンテナンス性や運用の即応性が向上していることが確認された。

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6. 印AgnikulとNeevCloud、宇宙AIデータセンター構築で提携合意

【同一テーマ記事:10件】

印宇宙企業Agnikul Cosmosとクラウド企業NeevCloudが戦略的提携を発表し、インド初となる民間主導の「宇宙ベースAIデータセンター」構築を目指す。地球観測データを軌道上で即座に処理・解析し、災害監視などのリアルタイム性を向上させる。

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Sector & Regional Deep Dive(カテゴリ別動向)

【ハード・サービス | 輸送・軌道上サービス】

欧州がAmazonのKuiper衛星32機を搭載した「アリアン64」の初打ち上げに成功(類似記事7件)し、コンステレーション構築市場への本格参入を果たした。また、米MomentusがNASAと軌道上サービス(RPO)実証で提携(7件)し、自機の健全性を外部の子機が自律診断する技術検証を進めるなど、輸送後インフラの高度化が進んでいる。

【政策・企業・市場 | エコシステムの拡大】

英国ではSkyroraが破綻したOrbexの一部資産買収を検討(7件)し、国内の宇宙港計画とサプライチェーンの救済に動くなど業界再編の動きが見られた。また、インド科学技術相は国内の宇宙スタートアップが400社超へ急増(6件)し、投資総額が5億ドルを突破したと報告。モディ政権の宇宙開放路線の成果が数値として表れた。

【防衛・安全保障 | 情報インフラの強化】

米KBRが宇宙軍より1億300万ドルの意思決定支援業務を受注(6件)し、AIを活用した防衛データ分析サービスを拡大している。また、中国はナミビアへ衛星地上受信局を譲渡(4件)し、アフリカ地域における宇宙外交と自国インフラの影響力を強める戦略的な一手を見せた。