今週のまとめ
今週は、政府・防衛・制度レベルでの宇宙利用方針と、安全保障用途の具体案件が多く掲載された。
同一テーマを扱った記事が最も件数が多かったのは、米国大統領令が宇宙優位の確保を国家方針として明記した件で、13件確認された。
この大統領令では、月面到達を2028年の目標として設定するとともに、宇宙監視、通信、防護能力などの防衛関連技術を強化する方針が示されている。
また、民間企業の技術活用を前提に、探査・安全保障・産業基盤を一体で進める枠組みが整理されている点が特徴となっている。
防衛分野では、RheinmetallとICEYEが独連邦軍向けにSAR(合成開口レーダー)偵察能力を提供する契約を締結し、同一テーマの記事が9件確認された。
SARは天候や昼夜に左右されず観測できる技術であり、衛星を用いた常時監視能力が実運用段階に入ったことを示している。
同じく政府案件として、Rocket Labが米宇宙開発庁(SDA)の追跡層T3向けに衛星18基の供給契約を獲得し、9件の記事が掲載された。
追跡層は弾道ミサイルなどを宇宙から検知・追跡するための衛星網であり、量産と継続配備を前提とした段階に進んでいる。
有人・探査関連では、RedwireがNyx宇宙船向けドッキング機構を受注し、ISS接続や将来拠点運用を見据えた要素技術の整備が進んだ。
月探査インフラでは、L3HarrisがNASAの月周回拠点ゲートウェイ向けに12kW級電気推進システムを納入し、拠点維持に必要な推進技術が実装段階に入っている。
打ち上げ分野では、Rocket Labが円盤型(ディスク型)衛星4機を打ち上げ、米宇宙軍の技術実証を実施した。
本件の主眼はロケットではなく、新しい衛星形状の運用・配置・制御特性の検証にある。
商業分野では、Virgin Galacticが転換社債の買戻しと新規資金調達を実施し、事業継続を前提とした財務整理が進められた。
あわせて、LLNLとのCRADA締結により、高高度撮像技術の評価が行われている。
https://astronavi.jp/news/3639/
https://astronavi.jp/news/3640/
欧州では、Ariane 6がガリレオ衛星2機の軌道投入に成功し、GNSS分野での実運用進展が確認された。
https://astronavi.jp/news/3636/
インド関連では、再使用型ロケットを開発するEtherealXの資金調達動向や、学生チームによるNASA宇宙アプリ受賞が並び、産業と人材育成の両面で動きがあった。
https://astronavi.jp/news/3643/
https://astronavi.jp/news/3634/
軌道上サービス分野では、アストロスケールがタンブリング衛星の捕獲技術に関する特許を公表し、制御不能衛星への対応技術が整理されている。
また、Southern Launchが衛星再突入回収の支援を行う計画も報じられ、運用終了段階を含めたサービスが扱われた。
https://astronavi.jp/news/3654/
https://astronavi.jp/news/3642/
主要ニュース
1.米大統領令が宇宙優位を掲げ月面2028年目標と防衛技術を明記(13件)
米国大統領令で、宇宙優位の確保を国家方針として明記し、月面到達を2028年の目標に設定した。
宇宙監視、通信、防護などの防衛関連技術を強化し、民間技術の活用も前提とした枠組みが整理されている。
https://astronavi.jp/news/3648/
2.RheinmetallとICEYEが独軍向けSAR偵察契約、約17億ユーロ規模(9件)
独連邦軍向けにSAR衛星による偵察能力を提供する契約が締結された。
全天候型監視を可能にする衛星運用が実運用段階に入っている。
https://astronavi.jp/news/3633/
3.Rocket LabがSDA追跡層T3で衛星18基契約を獲得(9件)
米宇宙開発庁の追跡層向けに18基の衛星供給契約を獲得した。
量産と継続配備を前提とした事業規模が特徴となっている。
https://astronavi.jp/news/3650/
4.RedwireがNyx向けドッキング機構を受注(8件)
Nyx宇宙船向けドッキング機構を受注し、ISS接続を含む将来運用を支援する。
https://astronavi.jp/news/3638/
5.円盤型衛星4機による米宇宙軍の技術実証を実施(7件)
米宇宙軍は、円盤型(ディスク型)衛星4機を用いた米国宇宙軍の技術実証ミッション「STP-S30」を実施した。
従来の箱型衛星とは異なる形状を採用することで、姿勢制御や配置効率、運用特性の検証を目的としている。
Rocket Labは打ち上げと初期運用を担い、実証対象は衛星の設計・運用コンセプトそのものとなっている。
https://astronavi.jp/news/3770/
6.Southern LaunchとINNOSPACEが10年契約で豪州発射へ(6件)
豪州発射拠点を用いた長期打ち上げ契約が締結された。
https://astronavi.jp/news/3641/
7.L3Harrisがゲートウェイ向け12kW級電気推進をNASAへ納入(6件)
月周回拠点ゲートウェイ向けの電気推進システムが納入された。
https://astronavi.jp/news/3644/
8.Virgin Galacticが転換社債買戻しと新規資金確保を実施(5件)
財務構造の整理と事業継続を目的とした資金対応が行われた。
https://astronavi.jp/news/3639/
9.Virgin GalacticがLLNLとCRADA締結(5件)
高高度撮像技術評価を目的とした研究協力が開始された。
https://astronavi.jp/news/3640/
10.SpaceXが550回目のブースター着陸到達後も連続運用を継続(4件)
再使用ブースターの継続運用実績が更新された。
https://astronavi.jp/news/3645/
11.印米連携の通信衛星ブルーバード6号、打ち上げ延期(4件)
技術調整を理由に打ち上げ日程が延期された。
https://astronavi.jp/news/3651/
注釈
本記事では、まとめ対象とする一週間で独自の検索方法によって抽出されたニュースのうち、同一テーマのニュースが3件以上確認されたものを主要記事およびカテゴリ別主要記事として整理しています。
各記事タイトルの( )内の数値は、同一テーマ記事の件数です。
なお、本サイトに掲載している各記事は、
企業・政府・研究機関などによる公式リリースを基礎情報としつつ、
関連するニュース報道や公開資料も参照したうえで、
事実関係に基づき独自に編集・構成したものです。