12月の軌道投入概況:メガコンステレーションの拡大と明暗

2025年12月は、世界で計434機の衛星・宇宙機が軌道投入に成功しました。 計画総数は436機でしたが、日本の測位衛星「みちびき5号」と、韓国の民間観測衛星(HANBIT-NANO搭載)の2機が打ち上げ失敗により軌道投入はされませんでした。

投入数の主役は「通信用衛星」で、全体の約8割を占めます。SpaceXの「Starlink」に加え、中国の「SatNet」が90機規模で投入されたことで、米中による宇宙インフラ構築競争が鮮明になった月でした。

  • 投入成功数: 434機

  • 投入失敗: 2機 (測位:1機、地球観測:1機)

  • 成功率: 99.5% (機数ベース)

    【分析ポイント】

    • 通信の寡占: 通信衛星(354機)だけで全体の8割を超えており、宇宙活動の中心が「インフラ構築」にあることが明確です。

    • 実証の裾野: ロシアや多国籍のライドシェアにより、教育・技術実証目的の小型衛星も66機と多数投入されました。

    • 基幹衛星の喪失: 数は少ないものの、国のインフラである「測位(日本)」と「観測(韓国民間)」で失敗が発生したことは、機数以上のインパクトを地域の宇宙開発に与えました。


     国・地域別の傾向

    • 米国  269 Starlink (264機) + NROL-77 (1) + Kuiper (1) + DiskSat (4) + BlueBird (1) – 失敗0
    • 中国  101 SatNet (90機) + 政府・軍事・実証 (11機) – 失敗0
    • ロシア  53 Soyuzライドシェア (52機) + Obzor-R (1)
    • 多国籍  5 中国Lijian-1に搭載された海外・民間衛星群 (5機)
    • 欧州 広域 2 Galileo FOC (2機) ※ESA/EU
    • 日本  2 QPS-SAR-15 (1) + RAISE-4 (1) ※みちびき5号は失敗
    • 韓国  1 Kompsat-7 (1) ※HANBIT搭載機は失敗
    • イタリア  1 COSMO-SkyMed 3 (CSG-3) ※SpaceX打ち上げ
合計  434

■ データ算出の出所と集計方法について

本レポートに掲載されているロケット打ち上げおよび衛星投入データは、以下の基準と手法に基づいて算出・集計されています。

1. 基礎データの出所

  • ロケット打ち上げ・軌道投入の成否: 米国宇宙軍の公開データ(Space-Track.org)およびJonathan’s Space Report (JSR) のカタログデータを基礎としています。

  • ミッション詳細・背景情報: 宇宙開発ニュースサイト「AstroNavi」のアーカイブ、および各国の宇宙機関(NASA, ESA, JAXA, CASC等)・民間事業者(SpaceX, Rocket Lab等)の公式発表・プレスリリースを参照しています。

  • 衛星スペック・所有者: Gunter’s Space Page等の衛星データベースを参照し、可能な限り国籍と用途を特定しています。

2. 集計・推計のルール

  • 日時の基準: 全て「協定世界時(UTC)」を基準としています。日本時間(JST)とは日付が異なる場合があります。

  • ライドシェア(相乗り)の扱い: TransporterミッションやSoyuzライドシェア等、1回の打ち上げで多数の衛星が放出されたケースにおいて、個別の衛星名が特定されていないものについては、事業者の公式発表値(例:「100機以上」)と既知の搭載機数を照合し、差分を「技術実証・その他(推計)」として計上しています。

  • 用途の分類: 軍事偵察衛星や、中国のインターネット通信コンステレーション(SatNet/Guowang等)など、公式に詳細な用途が明かされていない衛星については、投入軌道や過去の同型機のミッション実績に基づき、当編集部独自の区分(推定)を行っています。

  • 有人宇宙船: 有人宇宙船(Soyuz, Shenzhou等)および貨物補給船についても、ロケットによって軌道に投入された「ペイロード」として、衛星投入数に含めています。


■ 免責事項

  • 情報の正確性について 本レポートのデータは、作成時点(2026年1月現在)で入手可能な公開情報に基づき細心の注意を払って作成しておりますが、その正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。特に「推計」や「推定」と記載された数値には、未公表の軍事衛星や詳細不明の超小型衛星が含まれており、後日のカタログ更新により変動する可能性があります。
  • 利用の結果について 本データの利用によって生じたいかなる損害、損失、不利益についても、当方は一切の責任を負いかねます。投資判断や事業計画への利用は、利用者ご自身の責任において行ってください。
  • 第三者サイトのリンク 本レポートに含まれる参照元URLや外部リンク先の内容については、当方の管理下になく、その内容について責任を負うものではありません。