【要点】
欧州のロケット開発企業ArianeGroupは、2030年代初頭までに再利用型ロケットの運用能力を確立することを目指し、複数の実証プログラムを推進しています。
その中核となるのが、メタンと液体酸素を推進剤とする再使用型エンジン「Prometheus」で、実証機「Themis」に搭載されます。
開発ロードマップは、技術的複雑性を段階的に高めながら進める構成となっており、「Themis」「Callisto」「Skyhopper」の3機が順次開発・試験されます。
初号実証機「Themis T1H(Themis-1 Hop)」はすでにスウェーデンのエスレンジ宇宙港(Esrange Spaceport)に輸送され、着陸脚が取り付けられました。
Themisは低高度での垂直着陸を実証し、安定した降下・燃料流量制御・ソフトランディングを検証する予定です。
この飛行キャンペーンは、EU「Horizon Europe」枠内の再利用技術成熟プロジェクト「SALTO」によって実施されています。
ArianeGroupによれば、2027?2028年頃に完全な第一段回収実証を行い、資金が継続すれば2030年代初頭に再使用ロケットの運用能力を獲得できる見込みです。

【編集部コメント】
欧州の再使用ロケット開発は、SpaceXが確立した再利用型市場への対抗と、欧州独自の宇宙アクセスを確保するという政策的要請の両面を持っています。
ArianeGroupの開発責任者フランク・クーベル氏が述べるように、課題は技術そのものではなく、「欧州がいかに継続的に開発資源を確保し、必要な技術を習得できるか」にあります。
また、中国LandSpaceやCAS Spaceなど、第二段までの再使用を視野に入れる新興企業が台頭する中、欧州が2030年代初頭という目標に向けて開発速度と資金投入を維持できるかが、将来の国際競争力を左右すると考えられます。

【出典情報】
参照情報(媒体名): Space.com 発行日: 2025-10-30 リンク: https://www.space.com/technology/europe-is-working-to-develop-reusable-rockets-by-the-early-2030s 企業公式リリース: 確認できませんでした

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Themis demonstrator ready for final tests at ESRANGE: https://hadea.ec.europa.eu/news/themis-demonstrator-ready-final-tests-esrange-2025-09-19_en

Themis installed on its launch pad – Swedish Space Corporation: https://sscspace.com/themis-stands-on-the-launch-pad/

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