【要点】
国際的な研究チームは、米航空宇宙局(NASA)のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いて、系外惑星WASP-18bの初の3次元(3D)大気温度マップを作成しました。
この巨大ガス惑星(ホットジュピター)は主星WASP-18のすぐ近くを公転しており、潮汐ロックにより常に一方が昼側、もう一方が夜側となっています。
研究チームは、新しい観測手法「3Dエクリプス・マッピング(分光食マッピング)」を用いて、惑星が主星の背後を通過する際に変化する赤外線スペクトルを解析しました。
作成された温度マップでは、デイサイドの赤道付近に明確なホットスポットが確認され、その領域の大気では水蒸気の量が平均より著しく低いことが判明しました。
これは、高温によって水分子が水素と酸素に分解される「熱分解」が起きていることを示しており、理論的に予測されていた現象を初めて観測的に裏付けたものです。
この成果は、JWSTの高感度近赤外分光器(NIRISS)の性能を実証するとともに、今後ほかのホットジュピター型惑星の大気構造解析にも応用できる技術的ブレークスルーとなります。
【編集部コメント】
系外惑星の大気構造を立体的に描き出せるようになったことは、観測天文学の枠を超え、**「見えない惑星を理解する新しい標準」**を確立したといえます。
水分子の熱分解という複雑な大気化学を単一惑星内で直接確認できたことは、JWSTの分光精度を示す象徴的成果です。
この3Dマッピング技術は、将来の地球型惑星観測において生命の兆候(バイオシグネチャー)を解析するための基礎的手法としても重要な役割を果たすでしょう。
【参照情報】
媒体名:Space.com
発行日:2025-10-29
リンク:https://www.space.com/astronomy/exoplanets/scientists-use-james-webb-space-telescope-to-make-1st-3d-map-of-exoplanet-and-its-so-hot-it-rips-apart-water
企業公式リリース:確認できませんでした(研究元:University of Michigan, NASA Goddard, ESA)
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https://news.umich.edu/now-in-3d-maps-begin-to-bring-exoplanets-into-focus/
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https://www.sciencedaily.com/releases/2025/11/251102011152.htm