【要点】 米国Portal Space Systems(宇宙機開発)は、ワシントン州ボセルの施設において、独自の太陽熱推進(STP)システムのコア技術の実証試験に成功しました。 これは、商業企業としては初めて、STPシステムを実運用温度で真空チャンバー内で試験した事例です。 STPシステムの中核である3Dプリント製の熱交換器(HEX)スラスタ「Flare」は、太陽エネルギーを集光してアンモニアなどの推進剤を加熱し、推力を発生させます。 同社は、STP技術を活用した主力宇宙機「Supernova」を開発しており、従来の化学推進や電気推進では不可能だった短時間での軌道間移動を実現します。 Supernovaは、LEOからGEO、さらには月周回軌道(Cislunar space)へも数日で到達可能であり、2026年にサブシステムの実証飛行、2027年にフルスケールでの初飛行を予定しています。 Portal Space Systemsは、米国航空宇宙局(NASA)や米空軍が1960年代から研究していたSTPコンセプトを、アディティブ・マニュファクチャリング(AM)の活用により初めて商業化のレベルに引き上げました。

【編集部コメント】 編集部による見解: 衛星の軌道上での機動性は、防衛ミッションにおいて決定的な優位性をもたらしますが、SupernovaのSTPシステムは、従来の推進システムに比べて桁違いの性能を実現します。 この技術は、高性能を誇る核熱推進に匹敵する性能を原子炉を打ち上げる負担なしで提供可能であり、特に米国宇宙軍(USSF)の求める多軌道・長寿命ミッションの戦術とタイムラインを根本的に変える可能性があります。 Portalは、製造・組立て技術を駆使して技術的ブレークスルーを起こし、低コストで高機動な衛星という新しい市場を確立しようとしていると位置付けられます。

【出典情報】
参照情報(媒体名): Newstalk870 (引用元: The Seattle Times) 発行日: 2025-10-28 リンク: https://newstalk870.am/ixp/1135/p/bothell-satellite-propulsion-innovation-washington/ 企業公式リリース: Portal Space Systems: https://www.portalsystems.space/news/press-release-portal-becomes-first-commercial-company-to-successfully-test-solar-thermal-propulsion-system-for-multi-orbit-spacecraft

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