【要点】 欧州で、宇宙デブリを物理的に触れることなく安全に軌道から移動させる非接触型の除去技術を研究するプロジェクト「ALBATOR」が開始されました。 ALBATORは、390万ユーロ(約460万米ドル)の資金が投じられた初期段階のコンセプトであり、「ECRベースの多価イオンビーム(ECR-Based Multicharged Ion Beam for Active Debris Removal)」の利用を検討しています。 このプロジェクトは、欧州委員会のEuropean Innovation Council Pathfinderプログラムから資金提供を受けており、2029年2月までの3.5年間にわたって実施されます。 ALBATORは、イオン(荷電粒子)ビームをデブリに照射し、デブリを国際宇宙ステーション(ISS)などの軌道から逸らすことを目指します。 この非接触のアプローチは、デブリに物理的に触れる際に伴うリスク(さらなる破片の発生など)を回避できるのが特徴です。 プロジェクトは、フランスのスタートアップOsmos Xが調整役を務め、スペインやドイツの大学、カナダの宇宙状況把握企業NorthStarのルクセンブルク支社などが参加しています。

【編集部コメント】 編集部による見解: ALBATORプロジェクトは、欧州宇宙機関(ESA)が推定する1億4,000万個にも上るデブリへの対処が喫緊の課題となる中で、デブリ除去市場における技術的なブレークスルーを目指すものです。 このイオンビーム技術は、デブリを回避する衛星の機動性や、デブリ除去の安全基準を根本的に変える可能性を秘めており、将来の軌道上サービス・デブリ除去市場の競争構造に影響を与えると位置付けられます。 プロジェクトが学術機関とスタートアップ、そして**宇宙状況把握(SSA)**企業によって構成されている点は、実用性と安全性確保の両面から、デブリ問題への多角的なアプローチを示すものとして評価されます。

【出典情報】
参照情報(媒体名): Space.com 発行日: 2025-10-26 リンク: https://www.space.com/technology/could-we-blast-space-debris-out-of-harms-way-with-ion-beams 企業公式リリース: NorthStar Earth & Space: https://northstar-data.com/northstar-earth-space-europe-joins-european-consortium-to-advance-space-debris-removal-technology/

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