【要約】
米国University of California, San DiegoとUniversity of Marylandの研究チームは、地球同期軌道衛星が送信する未暗号化通信の一部が市販受信装置で取得可能であったとする調査結果を公表した。研究では、パラボラアンテナなど一般的に入手可能な機材を用い、約3年かけて衛星通信の受信状況を観測し、位置情報やテキスト通信を含む未暗号データを取得した。報告によれば、衛星の無線周波数通信は広いビーム幅を採用することが多く、物理的な傍受リスクが残存する。一方、光学通信ではビーム幅の狭さや受信視野の限定により傍受の難易度が高く、衛星通信システムの物理層セキュリティ向上策として有効であることが示された。

【編集部コメント】
本件は、従来の衛星通信が抱える“広帯域RFビームの露出”という課題を体系的に示した研究の一環と位置付けられる。光学リンクの活用は、暗号化技術に依存しないセキュリティ強化を可能にするため、次世代衛星通信ネットワークにおける装備・サブシステム設計の見直しを促す要因となり得る。特に低軌道・静止軌道を問わず、ミッション設計段階でのビーム制御戦略の重要性が高まることが予想される。

【出典情報】
参照情報(媒体名):Photonics Online
発行日:2025/11/03
リンク:
https://www.photonicsonline.com/doc/unencrypted-satellites-reveal-the-power-of-narrow-optical-links-0001

公式リリース(一次資料):
研究論文(ACM CCS 2025発表論文)
https://satcom.sysnet.ucsd.edu/docs/dontlookup_ccs25_fullpaper.pdf

研究プロジェクトWeb(UCSD Satcom Research)
https://satcom.sysnet.ucsd.edu/

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