【要約】

米国のシンクタンクFDD(Foundation for Defense of Democracies)は、2025年11月7日に公開した分析で、オーストラリアが直面する中国の宇宙分野での急速な軍民両用能力の拡大が、同国の安全保障に重大な脅威をもたらしていると指摘しました。報告では、中国が地球観測衛星や衛星通信を含む宇宙インフラを軍事運用に強化している状況を鑑み、オーストラリアは宇宙状況認識(SSA)を中心とした宇宙防衛能力の向上が急務であるとされています。

オーストラリアは地理的に広大であり、監視・通信などの宇宙資産への依存度が高いことから、これらが脅威に晒されるリスクを軽減するためには、米国との宇宙分野における連携強化が不可欠とされています。分析では、情報共有枠組みの拡大、共同技術開発、宇宙ドメインにおける同盟強化が必要と提言されています。

【編集部コメント】

オーストラリアが中国の宇宙能力強化に対処するため米国との連携を深めるべきとする提言は、インド太平洋地域における地政学的緊張の高まりを背景に、宇宙空間が国家安全保障の主要領域となっている動きの一環と位置付けられます。米国主導の宇宙防衛ネットワークへの統合は、宇宙状況認識や衛星通信インフラの保護といった分野で実効性を持ちます。一方で、欧州が自律的能力の強化を進める姿勢とは対照的であり、宇宙安全保障における同盟依存と自律性確保というアプローチの違いが浮き彫りになっています。

【出典情報】

参照情報(媒体名):FDD(Foundation for Defense of Democracies), Australian Government
発行日:2025/11/07
リンク:
https://www.fdd.org/analysis/2025/11/07/australia-needs-help-to-face-chinas-threat-in-space/

公式リリース:なし(報道および分析による)
※2025年11月7日時点で、FDD分析に直接対応したオーストラリア政府の公式声明は確認できず。

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