【要約】
米国防総省(DoD)は、ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」において、位置・航法・タイミング(PNT)機能の脆弱性が運用上の重大なリスクとなるとの報告を受けた。
この報告を公表したNSSAのMoorman Centerは、少なくとも二?三の異なる故障モードを持つPNT源を備えたレジリエントなアーキテクチャへの「緊急投資」が必要だとしている。
報告では、既存の衛星ナビゲーションシステム(GPS等)が対衛星攻撃、ジャミング、電子戦に甚大な脆弱性を抱えており、地上低周波やテレビ放送を利用した位置基盤の活用が、都市部防衛も想定した「Metro Golden Dome」構成には特に重要だと指摘している。
さらに、DoDはゴールデン・ドームのPNT要件を満たすためにギャップ分析を迅速に実施し、議会向けに資金ニーズを含む包括的計画を提出するよう提言されている。

【編集部コメント】

今回の報告は、防衛インフラの“目に見えない土台”であるPNTが、ミサイル防衛構想の成否を左右する重要変数であると明確に示している。
従来、ミサイル防衛は迎撃兵器・レーダー・衛星感知技術が主役だったが、航法・タイミング機能の弱さが現在の技術トレンドにおける“隠れた課題”となっている。
今後、商用ナビゲーションサービス、低軌道レイヤー、地上補完方式といった複数レイヤーによるPNT多重化が、防衛機構の設計戦略として本格的に採用される可能性が高い。

【出典情報】

参照情報(媒体名):Air & Space Forces
発行日:2025/11/05
リンク:https://www.airandspaceforces.com/report-pentagon-golden-dome-architecture-pnt/

公式リリース:
National Security Space Association (NSSA) ? “Resilient PNT is Vital for Golden Dome Success” (2025/11/04) https://nssaspace.org/wp-content/uploads/2025/11/Resilient-PNT.pdf

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