【要約】
米国メディアArs Technicaは11月13日、米国SpaceX(ロケット打ち上げ)がNASA向けに検討する「簡素化されたStarship月面着陸船」案を分析する記事を掲載した。
この案では、地球へ再突入しない月面着陸専用の使い捨て機体とし、耐熱シールドや空力フラップなどを省略して構造を簡略化する。
機体重量を抑えることで、地球軌道上でStarshipに燃料を補給するために必要なタンカー打ち上げ回数を減らせると報じられている。
さらに、有人宇宙船Crew Dragonで宇宙飛行士を地球低軌道まで輸送し、そこでStarshipに乗り換える運用像も記事内で紹介されている。
Ars Technicaは、こうした簡素化と役割分担により、軌道上給油を含む運用の複雑さを抑えつつ、Artemis IIIを想定した2027年前後の月面着陸スケジュール維持を目指す現実的な選択肢になり得ると論じている。

【編集部コメント】
本件は、Starshipによる完全再使用という長期ビジョンと、Artemis計画の打ち上げ時期を確保したいという現実的要請との折り合いを探る動きの一環と位置付けられる。
多数回の軌道上給油というボトルネックに対し、機体機能の削減と使い捨て運用で必要打ち上げ回数を抑えようとする発想は、技術とスケジュールの両面から妥協点を探るアプローチと言える。
こうした案が採用されれば、米国がArtemis計画を通じて月面探査で主導権を維持するうえでの一つの現実的選択肢になり得ると編集部は見ている。

【出典情報】
参照情報(媒体名):Ars Technica
発行日:2025/11/13
リンク:https://arstechnica.com/space/2025/11/what-would-a-simplified-starship-plan-for-the-moon-actually-look-like/

公式リリース:
To the Moon and Beyond:https://www.spacex.com/updates/to-the-moon-and-beyond

関連記事:
SpaceX unveils simpler Starship lander:https://interestingengineering.com/photo-story/spacex-unveils-simpler-starship-lander