要点
- NASA/JPLは2026年4月17日、Voyager 1のLow-energy Charged Particles experiment(LECP)を停止するコマンドを送信した。
- Voyager 1は1977年の打ち上げから約49年が経過し、発電能力の低下により電力余裕が極めて小さくなっている。
- Voyager 1とVoyager 2は放射性同位体熱電気転換器(RTG)を搭載しており、発電量は年約4ワットずつ低下している。
- 2026年2月27日の計画的なロール操作中にVoyager 1の電力レベルが予想外に低下し、低電圧保護システム作動のリスクが高まった。
- LECPは太陽圏外の低エネルギー荷電粒子を観測してきたが、ミッション継続のため停止対象に選ばれた。
- Voyager 1で稼働を続ける科学機器は、プラズマ波を観測する装置と磁場を測定する装置の2系統となった。
- Voyager 1は地球から250億km超離れており、コマンド到達には約23時間を要し、停止処理には約3時間15分かかる。
- NASAは今回の停止で約1年の運用余裕を確保し、2026年5〜6月にVoyager 2で省電力策「Big Bang」を試験した後、早ければ7月以降にVoyager 1へ適用する計画。
編集部コメント
1977年に旅立ったVoyager 1は、今も星間空間から唯一無二のデータを送り続けています。科学機器を止める判断は重いものですが、完全な沈黙を避けるために電力を配分し直すことは、半世紀近い探査機を生かし続けるための現実的な選択です。小さなモーターを残し、将来の再起動可能性まで考慮するNASA/JPLの運用には、長寿命探査機を扱う技術と執念が表れています。
参照情報
一次情報(公式発表、PRサイト等)
NASA Shuts Off Instrument on Voyager 1 to Keep Spacecraft Operating
参照記事
Voyager 1 Loses Another Instrument As Power Margins Shrink Across Interstellar Space