要点
- Anduril Industriesは2026年5月13日、シリーズHラウンドで50億米ドルを調達し、ポストマネー評価額が610億米ドルに達したと発表した。
- リードインベスターは、いずれも既存投資家のThrive CapitalとAndreessen Horowitzが務めた。
- 本ラウンドは1年弱前のFounders Fundリード(うちFounders Fund単独で10億米ドル)による評価額305億米ドル・調達額25億米ドルから倍以上の評価額となる。
- CEOのBrian Schimpf氏は発表ブログで、9年目を迎える同社が2025年に売上を22億米ドルへ倍増させたと明らかにした。
- Andurilが米防衛テック最大級の資金調達企業である一方、米国防総省は単一スタートアップへの全面依存を避けるマルチベンダー戦略を示しており、米空軍はAndurilの自律戦闘機「Fury」向けソフトウェアとしてShield AI製を採用するなど、ハードとソフトを分割発注している。
- 直近数週間でAndurilは、米本土向け宇宙ベース「Golden Dome」防衛システム開発契約への参加、オランダ国防省との契約、Lattice基盤上で動作する戦闘管理ソフトの米陸軍契約を相次いで公表している。
- 今回のラウンドは2026年の防衛テック広範な資金調達ウェーブの中で起きたもので、3月にShield AIが評価額127億米ドルでシリーズG 15億米ドル、Hermeusが10億米ドル超の評価額で3.5億米ドル、Helsingが約180億米ドルの評価額で12億米ドルの調達間近と報じられている。
- 2017年創業以来のAnduril累計調達額は110億米ドルを超えた。
編集部コメント
参照情報
一次情報(公式リリース、公式発表、PRサイト等)
Anduril、50億ドル規模のシリーズH調達を発表
https://www.anduril.com/news/anduril-announces-usd5b-series-h-raise
参照記事
防衛ビジネスブリーフ:タルサの宇宙誘致、Cadenazziの要望、Anduril 50億ドル調達
参照記事
Anduril、50億ドル調達で評価額610億ドルに倍増(TechCrunch)
https://techcrunch.com/2026/05/13/anduril-raises-5b-doubles-valuation-to-61b/
Andurilの今回の調達は、約1年で評価額が2倍超に跳ね上がる中でリードインベスター(Thrive Capital、Andreessen Horowitz)が継続して入っており、防衛テック領域でのスケーリングモデルが投資家にとって既に明確に成立していることを示す。とりわけ注目すべきは、米空軍がAnduril製「Fury」のソフトウェア層にShield AI製を採用した点で、防衛テック界の資金調達王者であっても戦略スタックを単独で握れていない構造を浮き彫りにする。これは国防総省が複数ベンダー戦略を維持して競争構造を保ち続けることを示すと同時に、評価額610億ドルが単一カテゴリーの支配ではなくLattice、Fury、ドローン、対ドローン、Golden Dome等の幅広いポートフォリオ拡張に支えられていることを意味する。今回の資金は高レート量産、宇宙・ミサイル防衛、自律・ソフト隣接領域での買収戦略に充当される見通しで、既存防衛主要企業以外で世界最大級の非上場防衛企業としての位置取りを一段強める。