要点
- 北京拠点の商業宇宙企業・銀河航天は2026年5月18日、低軌道衛星向けの展開式アンブレラアンテナを発表し、中国の民間宇宙企業が開発した初の同型機と位置付けた。
- アンテナは打上げ時にフェアリング内に密に折り畳まれ、軌道投入後に自動展開する。
- 収納比は12%未満で、直径1mに展開するアンテナを小型パソコン程度の体積に格納できる。
- 同社は通信性能が自社の従来型機械式可動Q/Vバンドアンテナの最大10倍に達するとしている。
- さらに独自開発した一体型メッシュ成形技術により、世界の宇宙用メッシュアンテナ製造業者の多くが採用する手縫い手法に比べ、製造効率を70%以上向上させたという。
- 新アンテナは広帯域衛星インターネット、リモートセンシング、航法用途を狙い、将来的には大型平面フェーズドアレイアンテナと組み合わせて衛星から携帯端末への直接通信を支援する可能性がある。
- 中国の2026年政府活動報告では、宇宙産業が国家政策レベルで初めて新興支柱産業に正式に位置付けられた。
- 技術者らは、伝統的に個別仕様だった宇宙ハードウェアに高スループット製造手法を適用する「産業化宇宙」の潮流が反映されていると述べた。
編集部コメント
高い収納比を持つコンパクトな展開式アンテナは商用衛星ハードウェアの確立された競争領域であり、米欧の既存サプライヤーが通信用および反射器アレイの双方で事業を展開している。戦略的価値は個々のアンテナ設計よりも、コンステレーション規模で展開式メッシュ構造を量産するサプライチェーン能力にあり、これは米国以外での広帯域衛星整備を制約してきた要因でもある。北京による商業宇宙の支柱産業化は、国家主導の大型コンステレーションプログラムと並行して同セグメントを産業化する戦略的意図を反映している。中国民間企業が第三国市場で輸出需要を獲得できるかは、アンテナ技術単体ではなく、商業条件と地政学的アクセスに左右される。
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