要点
- NASAの科学者らは、複数の地球観測衛星のデータを融合して有害藻類ブルーム(HAB)を検出する自己教師あり機械学習システムを開発し、フロリダ州西部および南カリフォルニアのブルームを対象とした成果をAGU Earth and Space Scienceに発表した。
- 研究チームは、NASAジェット推進研究所のミシェル・ジーラックとケリー・ルイス、Spatial Informatics Groupの研究データサイエンティスト、ニック・ラヘイで構成され、NASA「PACE(Plankton, Aerosol, Cloud, ocean Ecosystem)」衛星に搭載されたハイパースペクトル海色観測装置や、Karenia brevisなどの種が光合成中に放出するかすかな赤色発光を捉えられるTROPOMIなど、5つの宇宙ミッションあるいは観測機器の知見を統合した。
- 本システムは2018年と2019年に取得した衛星データで学習され、現場およびラボでの測定値を実世界の文脈として加味したうえで、同一地理エリアの後続期間のデータで評価された結果、堆積物・植物・流出水を含む複雑な沿岸水域においてもK. brevisを含む特定種までを含めて、有害ブルームを正しく識別・地図化できることが初期的に示された。
- 深刻なブルームは健康リスクをもたらし、米国の沿岸経済に毎年数千万ドルのコストを発生させており、フロリダ州タンパ湾やサラソタなどの地域は数十年にわたり問題に直面し、西海岸のPseudo-nitzschiaによるブルームは近年、数百頭のイルカ、アシカ、その他海洋生物を中毒に陥れている。
- 従来の現地検査では、ボートでの採水後にラボ分析が必要で、複数の検査を経るのに丸1日以上を要し、ブルームが拡大し始める前の段階では特に対応が困難であった。
- チームは現在、より多くの沿岸データを取り入れて本ツールを改良するとともに、湖沼を含む他の水域への試験拡大を進めており、今後数年以内に、養殖や観光分野まで含めたエンドユーザーの意思決定者が利用できるようにすることを目指している。
参照情報
参照記事
NASA開発のAI、有害藻類追跡に貢献の可能性
https://spacecoastdaily.com/2026/05/nasa-developed-ai-could-help-track-harmful-algae/
参照記事
NASA、宇宙から有害藻類ブルームを特定する新AIツールを開発