【要点】
・2026年2月17日、ルクセンブルクのスタートアップ企業Maana Electricは、月面での持続可能なエネルギー供給を目指す「Mission Lunar Night」を発表した。
・本ミッションは、月の過酷な14日間に及ぶ夜間(Lunar Night)において、探査機や有人拠点の稼働に必要な電力をコスト効率良く提供することを目的とする。
・同社のコア技術である、月面のレゴリス(月砂)から直接太陽電池パネルを製造する自律型ロボットシステムを月面に投入する計画である。
・夜間の電力維持には、日中に生成されたエネルギーを蓄えるための熱貯蔵システムや、独自の化学蓄電プロセスを統合したモジュールを導入する。
・地球から大量のバッテリーを輸送する従来の方式に対し、現地資源利用(ISRU)を徹底することで、電力供給コストの大幅な低減を図る。
・欧州宇宙機関(ESA)のインキュベーション支援を受けており、有人月面探査プログラム「アルテミス計画」のインフラ基盤としての採用を見込む。
・現在は地上での技術実証段階にあり、真空および極低温の月面環境を模したシミュレーション下でのシステム信頼性試験を継続中である。
・報道によると、2020年代後半の月面実証機打ち上げを目標に掲げ、初期の電力サービス提供に向けた民間および政府機関のパートナー募集を開始した。
【編集部コメント】
月面基地の運用において「夜の克服」は、持続可能性を担保するための最重要課題である。Maana Electricが提唱するレゴリス活用型の電力供給モデルは、輸送コストという物理的制約を打破するポテンシャルを持つ。これが実現すれば、月面は単なる探査の対象から、永続的な産業活動が可能な商業フロンティアへと変貌を遂げるだろう。
【出典情報】
公式リリース
Deep Space Energy secures €350,000 in investment(Latvian Space Office / Latvia Space)
https://www.latviaspace.gov.lv/en/news-events/deep-space-energy-secures-350000-in-investment/
参照情報(報道)
Mission Lunar Night: Startup plans cost-effective energy for moon(heise online)
https://www.heise.de/en/news/Mission-Lunar-Night-Startup-plans-cost-effective-energy-for-moon-11176978.html
Funding for Latvian and UK space research(IOM3)
https://www.iom3.org/resource/funding-for-latvian-and-uk-space-research.html