【要点】

・KDDIとKDDI総合研究所が「R&D成果公開2026」を開催し、6G時代を見据えた最新の研究開発成果を発表した。
・無線ネットワーク(RAN)分野では、基地局パラメータを自動最適化するAI技術を商用導入し、作業時間を約95%削減しつつ通信品質を最大25%改善した。
・ユーザーを中心にセルを形成する「ユーザーセントリックRAN」の実証デモを行い、基地局間の干渉を排除した場所を問わない安定通信をアピールした。
・宇宙通信分野では、月と地球を結ぶ38万kmの長距離光通信を見据え、高精度な光追尾システムの地上検証を開始したことを明らかにした。
・セキュリティ分野では、Nokiaや東芝デジタルソリューションズと共同で、商用網における耐量子計算機暗号(PQC)を用いた57.6Tbpsの大容量データ伝送に成功した。
・QKD(量子鍵配送)とPQCを組み合わせたハイブリッド構成を採用し、量子コンピュータによる解読攻撃に耐えうる堅牢な通信基盤を構築する。
・ネットワーク運用面では、障害発生時に原因を即座に特定し復旧を支援する「生成AIエージェント」の運用開始も発表された。
・これらの技術群により、地上から宇宙までをシームレスかつセキュアに接続する6G時代のプラットフォーマーとしての地位確立を狙う。

【編集部コメント】

KDDIのR&D戦略が、「地上(RANのAI化・ユーザー中心化)」「宇宙(深宇宙光通信)」「セキュリティ(PQC)」と全方位で6Gインフラの核心を突きに来ている点が印象的だ。特にユーザーセントリックRANは、セル境界という移動体通信の宿命的な課題を解決するゲームチェンジャーとなり得る技術であり、実用化への進展は大きい。また、NTTのIOWN構想が先行する光通信・光コンピューティング領域に対し、月面通信や耐量子暗号の実装で対抗軸を明確に打ち出した形と言える。

【出典情報】

公式リリース
月探査に向けた光通信技術の地上検証を開始(KDDI総合研究所)
https://www.kddi-research.jp/newsrelease/2026/021804.html

参照情報(報道)
KDDIが6G時代を見据えたR&D成果を公開 ユーザーセントリックRANや宇宙光通信、耐量子暗号(PQC)等を披露(Business Network)
https://businessnetwork.jp/article/33137/

KDDIなど4社、商用網で「耐量子セキュリティ」の実証実験 57.6Tbpsの大容量伝送に成功(ケータイ Watch)
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/2087010.html