【要点】
・岡山大学大学院の研究グループが、人工衛星の帯電状況を「光」で検知する小型・高精度なシリコンフォトニクスセンサを開発した。
・宇宙空間のプラズマによって衛星表面に蓄積する静電気が、電子機器の誤作動や故障(放電トラブル)を引き起こす課題の解決を狙う。
・従来型の電位計はサイズが大きく設置場所が限定されていたが、新方式では数ミリ角のチップサイズへの小型化に成功した。
・シリコン基板上に光回路を形成するシリコンフォトニクス技術を応用し、帯電による屈折率変化を光の干渉を利用して測定する。
・電気的な配線が不要な光ファイバー接続によるセンシングが可能なため、ノイズ耐性に優れ、可燃性の高い燃料タンク付近などにも設置できる。
・本研究成果は、国立大学法人岡山大学による公式発表および複数の報道機関で取り上げられている。
【編集部コメント】
岡山大による光帯電センサの開発は、衛星運用の最大の懸念事項の一つである静電気トラブルに対するエレガントな解決策だ。従来の電子的測定の限界を、シリコンフォトニクスという半導体・光技術で突破した点は非常に興味深い。特に小型衛星への搭載が容易になることで、低コストな衛星群の生存率を向上させる実益は大きく、宇宙保険市場や設計基準にも影響を与える可能性がある。
【出典情報】
公式リリース
人工衛星の帯電を「光」で検知するシリコンフォトニクスセンサを開発~宇宙開発を悩ませてきた静電気トラブルに新方式で挑む~(岡山大学)
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1503.html
参照情報(報道)
人工衛星の帯電を「光」で検知するシリコンフォトニクスセンサを開発(FNNプライムオンライン)
https://www.fnn.jp/articles/-/1005313
Okayama University develops silicon photonics sensor to detect satellite charging with light(NewsMinimalist)
https://www.newsminimalist.com/articles/okayama-university-develops-silicon-photonics-sensor-to-detect-satellite-charging-with-light-db65135e