【要点】

・米下院「中国共産党に関する特別委員会」が、中南米における中国の宇宙活動に関する調査結果を公表した。
・報告書は、中国に関連する地上局や観測拠点などが中南米で少なくとも11カ所確認されるとした。
・これらの施設は民生協力の枠組みで整備されつつ、人民解放軍(PLA)のSpace Domain Awareness(SDA)や情報収集に資し得るデュアルユース性があると指摘した。
・アルゼンチンNeuquén ProvinceのEspacio Lejano Station(深宇宙追跡局)について、他国衛星の通信周波数のパッシブ監視などを含め、情報収集やcounterspaceに資する用途へ転用され得るとの懸念を示した。
・委員会は、中南米における中国のプレゼンス拡大が米国の国家安全保障上のリスクになり得ると警告した。
・施設運営の透明性や受け入れ国側の監督権限が限定されるケースがあるとも報告した。
・中国のインフラ投資や協力枠組みが、長期的な拠点運用の基盤として機能し得る点を問題視した。
・米国政府に対し、同盟国・パートナーとの連携を強化し、西半球における中国の宇宙インフラ拡大を抑止する政策対応を求めた。

【編集部コメント】

中南米の地上局が地政学的な論点になっていることは、宇宙が地上の安全保障と不可分になった現実を示している。観測・追跡インフラは民生利用と軍事利用の境界が曖昧で、米中対立の文脈ではデュアルユース懸念が先鋭化しやすい。本報告を契機に、中南米諸国への米国の外交的働きかけや、宇宙協力の透明性を巡る議論が強まる可能性がある。

【参照情報】
公式リリース
New Select Committee Investigation Uncovers China’s Space Operations in Latin America
https://chinaselectcommittee.house.gov/media/press-releases/new-select-committee-investigation-uncovers-china-s-space-operations-in-latin-america
参照記事
House Select Committee Says China Is Using More Than 10 Bases In Latin America For ‘Military Space Operations’
https://www.latintimes.com/house-select-committee-says-china-using-more-10-bases-latin-america-military-space-operations-595141