【要点】
・シンガポール貿易産業省(MTI)は、2026年度のCommittee of Supply(COS)討論において、宇宙産業を次世代の重要成長分野と位置づけた。
・MTI資料では、2026年4月1日付でシンガポール国家宇宙庁(NSAS)を設立する方針を示した。
・NSASはMTIの管轄下で、シンガポールの宇宙戦略の推進や国際連携・産業基盤づくりを担うとしている。
・2026年から2030年までの研究・イノベーション・企業(RIE2030)計画として、総額370億シンガポールドルの投資枠を掲げ、宇宙技術など新領域への重点投資を示した。
・注力分野として、小型合成開口レーダー(SAR)衛星、衛星量子暗号通信、宇宙データ中継システム、海洋・環境監視向けのダウンストリーム活用を挙げた。
・宇宙経済の拡大見通しにも触れつつ、精密工学、AI、マイクロエレクトロニクスなどの強みを活かした産業機会の獲得を狙う。
・宇宙関連の専門人材を拡充するため、高度エンジニアリング、データサイエンス、地理空間分析分野でのキャリア開発支援を進める。
・本取り組みにより、東南アジアでの宇宙関連産業・サービスの集積と、国家レジリエンスおよび経済競争力の強化を目指す。

【編集部コメント】

シンガポールがシンガポール国家宇宙庁(NSAS)の設立方針を示したことは、宇宙を「利用の対象」から「成長戦略の柱」へ引き上げる政策転換を意味する。これまで宇宙技術産業局(OSTIn)が担ってきた機能を、より明確な司令塔の下で統合することで、国際協力や産業誘致、人材育成を一体で進める狙いが読み取れる。大型ロケット開発を追うのではなく、衛星コンポーネントやデータ利活用といった実装領域に集中する戦略は、都市国家の現実解として注目される。
【参照情報】
公式リリース
Committee of Supply (COS) 2026
https://www.mti.gov.sg/resources/cos2026/
参照記事
Committee of Supply (COS) 2026
https://www.mti.gov.sg/resources/cos2026/