【要点】
・米連邦通信委員会(FCC)のBrendan Carr委員は、次世代の軌道上ミッションを支援する枠組みとしてSpectrum Abundanceを提案した。
・対象は通信衛星などの伝統的用途に加え、軌道上給油、軌道上サービス・組立・製造(ISAM)、宇宙デブリ除去などの非伝統的ミッションを含むとしている。
・現行の規制枠組みは大規模通信コンステレーションを主眼に置く面があり、短期ミッションや特殊な軌道上サービスで周波数免許取得が障壁になり得るとの問題意識が示された。
・提案では、衛星間通信や低電力の近距離通信などを念頭に、より迅速で予測可能な承認プロセスの導入を目指す。
・実験的または短期のプロジェクトがライセンス取得を進めやすくすることで、技術実証の機会拡大につなげる狙いがある。
・Carr委員は、周波数を希少資源として守るだけでなく、技術革新を阻害しない形で活用余地を広げることが競争力維持に重要だと強調した。
・宇宙経済が「地球との通信」中心から「宇宙空間内での産業活動」へ拡大している現状を踏まえた提案と位置づけられる。
・軌道上給油やデブリ除去など、宇宙の持続可能性に関わる商業サービスの展開を後押しする可能性がある。
【編集部コメント】
FCCが「通信」中心の制度設計から、軌道上でのロジスティクスや保全といった「産業活動」を想定した周波数政策へ踏み込む姿勢を示した点が重要だ。周波数ライセンスは目に見えない基盤インフラであり、ここが詰まるとISAMやデブリ除去の実証・商用化が遅れる。提案が制度に反映されれば、非伝統的ミッションの参入障壁を下げ、宇宙空間でのサービス経済の立ち上がりを後押しする契機となり得る。
【参照情報】
公式リリース
Carr Proposes Spectrum Abundance for Next-Gen Orbital Missions
https://docs.fcc.gov/public/attachments/DOC-419242A1.pdf
参照記事
FCC Wants ‘Weird Space’ Missions To Get Spectrum, Too
https://payloadspace.com/fcc-wants-weird-space-missions-to-get-spectrum-too/