【要点】
・清華大学(Tsinghua University)の研究チームは、天体画像のノイズ低減により深宇宙観測の解析能力を高めるAIモデル「ASTERIS(Astronomical Spatiotemporal Enhancement and Reconstruction for Image Synthesis)」を開発した。
・本研究は科学誌Science掲載の成果として紹介され、James Webb Space Telescope(JWST)が取得した画像データへの適用が示された。
・ASTERISは自己教師ありの時空間デノイジング手法により、黄道光や散乱光など背景成分を識別して低減することを狙う。
・研究チームは、従来手法では検出が難しかった微弱天体について、検出限界を約1等級深い領域まで押し広げられる可能性に言及している。
・ASTERISを用いた解析として、JWSTデータから極めて深い深宇宙マップ作成を報告している。
・Sky & Telescopeは、AI解析が宇宙初期の銀河形成研究を後押しし得る点に触れている。
・本手法は将来ミッションのNancy Grace Roman Space TelescopeやChina Space Station Telescope(CSST)などへの応用可能性も示されている。

【編集部コメント】

天文学では観測装置の性能に加え、データ解析の高度化が研究の進展速度を左右する。ASTERISのようなデノイジングAIは、観測時間や運用制約が厳しい宇宙望遠鏡データから、より多くの情報を引き出す手段になり得る。今後、他ミッションへの適用や再現性の検証が進めば、深宇宙探査の解析基盤としての存在感が高まりそうだ。
【参照情報】
公式リリース
AI-Powered “ASTERIS” Model Pushes the Frontiers of Deep-Universe Exploration
https://astro.tsinghua.edu.cn/en/info/1026/2805.htm
参照記事
AI Reveals New Galaxies in James Webb Space Telescope Images
https://skyandtelescope.org/astronomy-news/ai-reveals-new-galaxies-in-james-webb-space-telescope-images/