【要点】
・韓国の研究チームは宇宙空間の過酷な放射線環境下でも動作可能な次世代AI半導体チップの検証に成功した。
・検証されたのはシナプス・トランジスタ構造を採用した神経模倣型(ニューロモーフィック)チップである。
・宇宙空間で発生する高エネルギー粒子によるデータの書き換えや物理的損傷を模したシミュレーションを耐え抜いた。
・従来のメモリベースのチップに比べ放射線に対する耐性が高く電力消費量も大幅に削減されている。
・本技術により宇宙機の機上でリアルタイムに高度なデータ処理を行うエッジコンピューティングが可能となる。
・衛星が収集した膨大な画像データを地上に送信する前に機内で選別・分析することで通信帯域を節約できる。
・研究チームは今後実際の衛星に本チップを搭載し軌道上での実証実験を通じて実用化を進める方針である。
・宇宙産業における人工知能の活用を支えるハードウェア基盤として将来の惑星探査機などへの応用が期待される。

【編集部コメント】

宇宙用半導体には従来、信頼性を重視した旧世代プロセスが使われてきたが、エッジAIの需要に応えるには耐放射線と高性能の両立が不可欠だ。本研究のシナプス・トランジスタが実用化されれば、通信遅延を許容できない自律型探査や、リアルタイムの地球観測において決定的な技術的優位をもたらすだろう。
【参照情報】
公式リリース
Research team verifies applicability of synaptic transistor for next-gen AI chips in space
https://en.yna.co.kr/view/AEN20260319003300320
参照記事
South Korean AI chip withstands simulated space radiation in first test – DongA Science
https://www.dongascience.com/en/news/76891