【要点】
・欧州宇宙機関(ESA)とスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)がマルチマテリアル3Dプリンティングの新技術を開発した。
・従来の金属粉末混合方式に代わり、粉末と金属箔を組み合わせるハイブリッドアプローチを採用した。
・異種金属の接合部で発生しやすい脆性相の形成を抑制し、熱応力による亀裂のリスクを大幅に低減する。
・レーザービームシェイピング技術を駆使し、溶融プロセス中の加熱温度を精密に制御する。
・ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金の組み合わせにおいて、健全な界面の形成を実証した。
・軽量化と高強度、導電性を同時に必要とする航空宇宙用部品の製造において画期的な成果である。
・今後は数値予測モデル(デジタルツイン)を構築し、複雑形状への適用範囲を拡大させる。
・本技術の実用化により、単一の部品内で機能が段階的に変化する高付加価値なコンポーネントの製造が可能になる。
【編集部コメント】
異種金属の完全な接合はアディティブ・マニュファクチャリングにおける長年の難題であった。ESAが支援したこの箔・粉末ハイブリッド法は、部品の「機能的勾配」を物理的な欠陥なく実現する鍵となる。宇宙機やエンジンの設計自由度を劇的に高め、質量削減と性能向上の両立を製造現場から支える基盤技術となるだろう。
【参照情報】
公式リリース
ESA: Building Better Interfaces – Multi-Material 3D Printing
https://www.esa.int/Enabling_Support/Preparing_for_the_Future/Discovery_and_Preparation/Building_Better_Interfaces_A_New_Approach_to_Multi-Material_3D_Printing
参照記事
ESA’s new 3D printing method joins metals without cracks
https://karlobag.eu/en/space/how-esa-and-epfl-are-changing-metal-3d-printing-a-new-method-joins-materials-without-cracks-and-expands-applications-93clb