【要点】
欧州宇宙機関(ESA)は11月26日、NASAとの共同ミッションであるアルテミス計画や火星サンプルリターン(MSR)の計画見通しが不透明になっている状況を踏まえ、開発中ハードウェアの代替活用案を加盟国に提示したと報じられた。具体的には、オリオン宇宙船向けの欧州サービスモジュール(ESM)を自律的な貨物輸送タグとして再設計する案や、MSR向け Earth Return Orbiter(ERO)を、火星の大気・地質調査を目的とした科学ミッション「ZefERO」(2032年打ち上げ目標)に転用する構想が示された。さらに、サンプル回収用ロボットアームについても、月面活動支援への応用が検討されている。

【編集部コメント】
米国側の予算や政策の変動による共同ミッションの不確実性が高まる中、ESAが独自活用の選択肢を検討したことは、欧州が宇宙開発で自律性を確保しようとする姿勢の表れである。既に開発が進んでいる主要機器を別用途に転換する戦略は、投じた投資を保護するとともに、欧州独自の科学探査や輸送能力を維持する実務的な対応と言える。加盟国間での合意形成が今後の焦点となるだろう。

【出典情報】
公式リリース
なし

参照情報(報道)
European Spaceflight:
https://europeanspaceflight.com/esa-to-repurpose-european-service-module-and-earth-return-orbiter/

Space.com:
https://www.space.com/space-exploration/europe-passes-record-breaking-space-budget-while-nasa-hit-with-deep-cuts

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