【要点】
テキサスA&M大学の研究チームは、高高度飛行や宇宙ミッションにおける極限環境が人体の肺に与える影響を調査するため、3Dバイオプリンティング技術を用いた肺組織モデルを開発した。
米空軍科学研究局(AFOSR)の支援を受けた本研究では、生きた肺細胞を含むゲル状のバイオインクを積層し、従来の平面的な培養皿(2D)よりも正確に生体組織構造を再現した。
実験では、パイロットや宇宙飛行士が直面する急激な気圧変化や温度上昇などのストレス環境をシミュレーションし、細胞レベルでの損傷や酸化ストレスの増加を確認した。
この3Dモデルは、将来的に飛行士の安全基準策定や、呼吸器疾患の治療薬開発における動物実験の代替手段としても期待されている。
【編集部コメント】
本技術は、航空宇宙医学における「倫理的かつ高精度な試験系」の確立に向けた重要な一歩である。
従来、極限環境の人体影響データは限られた実地データや動物実験に依存していたが、3Dバイオプリント組織を用いることで、再現性の高い詳細なデータ取得が可能となる。
特に、軍事および有人宇宙開発の加速に伴い、人体への負荷を事前に予測・軽減する技術(バイオデジタルツインなど)の需要は急増しており、本研究はその基礎技術として位置付けられる。
【出典情報】
公式リリース
Building breath, layer by layer: 3D printing with living lung cells in extreme environments:
https://stories.tamu.edu/news/2025/11/24/building-breath-layer-by-layer-3d-printing-with-living-lung-cells-in-extreme-environments/
参照情報(報道)
3D Printing Industry:
https://3dprintingindustry.com/news/texas-am-uses-3d-bioprinting-to-study-lung-cells-in-extreme-flight-conditions-246737/
Tii生命科学(medibio):
https://medibio.tiisys.com/169674/5/
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