【要点】
欧州宇宙政策研究所(ESPI)は11月26日、新報告書「DataCentresinSpace:OrbitalBackboneoftheSecondDigitalEra?」を発表し、宇宙データセンター構築に向けた国際競争で欧州が後れを取るリスクがあると警告した。
報告書は、AI普及や地球観測データの爆発的増加により、地上のデジタルインフラが限界を迎えつつあると指摘。
2028年までに世界のデータ生成量が400ゼタバイトを超えると予測される中、宇宙空間でのデータ処理・保存(宇宙データセンター)が重要な解決策になると分析している。
ESPIは、ESAのGSTPやARTESプログラム、EUのIOD/IOVイニシアチブを活用した官民連携による軌道上実証のパイプライン構築や、欧州グリーンディールおよび主権クラウド構想と整合した旗艦ミッションの立ち上げを提言した。
【編集部コメント】
本報告書は、2024年にThalesAleniaSpace主導で行われた実現可能性調査「ASCEND」などの技術的検証を一歩進め、政策レベルでの具体的なアクションを促すものと位置付けられる。
地上の電力消費増大や冷却水不足といった環境課題への対応に加え、データ主権(デジタル・ソブリンティ)の確保という観点からも、宇宙データセンターの戦略的価値が再評価されている。
米国や中国などの競合国が先行投資を進める中、欧州が技術的優位性を維持できるか、今後の政策決定が注目される。
【出典情報】
公式リリース
Data centres in space: orbital backbone of the second digital era?:
https://www.espi.eu/reports/data-centres-in-space-orbital-backbone-of-the-second-digital-era/
参照情報(報道)
Orbital Today:
https://orbitaltoday.com/2025/11/26/europe-warned-new-report-says-space-data-centres-could-reshape-the-digital-economy/
TUM School of Engineering and Design:
https://www.ed.tum.de/en/ed/news-single-view-start/article/space-based-data-centres-from-vision-to-viable-infrastructure-for-europe/
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