【要点】
米宇宙企業SpaceXは11月21日、テキサス州ボカチカの「Starbase」において、次世代型(V3)となる大型ロケット「Starship」用スーパーヘビーブースターの地上試験を実施したが、機体が構造的な損傷を受け失敗した。
報道によると、極低温耐圧試験中に液体酸素タンク部分が座屈し、深刻なダメージを負ったという。
当該機体は、推進剤システムや構造が再設計された改良型の初号機であり、今回の破損により廃棄される公算が高い。
この事故を受け、NASAが進める有人月面着陸計画「アルテミス3」への影響が懸念されている。
NASA内部ではStarshipの開発遅延を見越し、同機を使用しない代替ミッションや計画変更の検討が報じられているが、SpaceX側は「開発は順調である」として反論している。
【編集部コメント】
SpaceXは「試験で壊して学ぶ(FailFast)」アジャイル開発手法を強みとしてきたが、次世代機開発の初期段階でのつまずきは、2026年以降の有人月面着陸を目指すアルテミス計画のスケジュールに暗い影を落とすものである。
特に、NASAが公然と代替案の検討に動き出したことは、同社の開発進捗に対する不信感の表れとも受け取れる。
中国が2030年までの月面着陸を目指して猛追する中、SpaceXには次回の飛行試験やV3の再建を通じて、信頼性と技術的成熟度を早急に証明することが求められる重要な局面にある。
【出典情報】
公式リリース
なし
参照情報(報道)
Universe Space Tech:
https://universemagazine.com/en/next-generation-starship-damaged-during-testing/
Geo.tv(Reuters):
https://www.geo.tv/latest/634865-first-spacex-booster-for-upgraded-starship-fails-during-test-in-texas
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