【要点】
・ポルトガル空軍は、フィンランド企業 ICEYE との間で軍事用途のSAR衛星を直接購入する契約を締結した。
・ICEYE によると、ポルトガルが独自所有の軍事衛星を直接調達するのは今回が初めてである。
・契約は12月2日にヘルシンキで正式合意し、ICEYE の公式発表で明らかにされた。
・調達される衛星は合成開口レーダー(SAR)を搭載し、昼夜・天候に依存せず地表観測が可能である。
・ポルトガル空軍は衛星の運用計画と観測データ取得の主導権を完全に保持し、ISR(情報・監視・偵察)能力を自前で運用できる体制を整える。
・取得データは国防任務に加え、海洋監視、災害対応、環境管理など多分野で活用される予定とされる。
・ICEYEは小型SAR衛星の提供により、各国が迅速に宇宙監視能力を構築する支援モデルを拡大している。
・SARとは「電波を使って地表を画像化するセンサー」で、雲や夜間の観測にも対応できる特性を持つ。

【編集部コメント】
ポルトガルが初めて「自国衛星の直接調達」に踏み切ったことは、国家安全保障の観点から大きな転換点となる。ISR能力を自前で確保することは、多くの中規模国家にとって重要課題であり、ICEYE の小型SAR衛星はその入口を大幅に低コスト化した。海洋国家であるポルトガルは特に海域監視ニーズが高く、今回の調達が多目的運用の基盤となる可能性が高い。欧州における“宇宙主権”の潮流が、さらに広がることを示す事例と言える。

【出典情報】

公式リリース
ICEYE and Portuguese Air Force Announce First Direct Satellite Procurement:
https://www.iceye.com/newsroom/press-releases/iceye-and-portuguese-air-force-announce-first-direct-satellite-procurement/

参照情報(報道)
Orbital Today:
https://orbitaltoday.com/2025/12/05/portugal-takes-major-step-into-space-with-first-direct-military-satellite-purchase/

SpaceWatch.Global:
https://spacewatch.global/2025/12/iceye-and-the-portuguese-air-force-announce-first-direct-satellite-procurement/