【要点】
・欧州宇宙機関(ESA)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、地球観測衛星「EarthCARE」の高度な観測データの一般公開を開始した。
・2025年12月1日より、観測値から物理量を算出した「レベル2データ」を含む全標準プロダクトが利用可能となった。
・報道によると、台風「Ragasa」の初期解析において、衛星観測データと気候モデルの予測値が高い整合性を示したとされる。
・本ミッションは、気候変動予測で最大の不確実要因とされる雲やエアロゾル(大気中の微粒子)の影響を定量化することを目的としている。
・衛星は4つのセンサーを搭載し、雲の垂直構造や大気上端における太陽光・熱エネルギーの出入りを三次元的に同時観測する。
・今後は数値予報システムへのデータ同化も進められ、嵐の発達や降水パターンの予測精度向上にも貢献する計画である。
【編集部コメント】
本件は、2024年5月に打ち上げられた日欧共同ミッション「EarthCARE(はくりゅう)」が、本格的な科学利用フェーズに移行したことを示す重要なマイルストーンです。
気候モデルにおいて長年の課題であった「雲とエアロゾルの相互作用」に対し、実観測に基づく「正解」を提供することで、温暖化予測の不確実性が大幅に低減されることが期待されます。
今後は世界中の研究機関によるデータ解析が進み、次世代の気候変動対策に資する科学的根拠が強化されるでしょう。
【出典情報】
公式リリース
EarthCARE衛星「はくりゅう」の全観測データの一般提供を開始しました!:
https://www.satnavi.jaxa.jp/ja/news/2025/12/01/11694/index.html
EarthCARE lifts the clouds on climate models:
https://www.esa.int/Applications/Observing_the_Earth/FutureEO/EarthCARE/EarthCARE_lifts_the_clouds_on_climate_models
参照情報(報道)
SpaceDaily:
https://www.spacedaily.com/reports/EarthCARE_mission_tightens_cloud_and_aerosol_impacts_in_next_generation_climate_models_999.html