【要点】
・英国の推進系メーカーNammo UKは、欧州宇宙機関(ESA)の月着陸機「Argonaut(アルゴノート)」のメインエンジン供給業者に選定された。
・Thales Alenia SpaceおよびESAとの間で正式契約が締結され、アルテミス計画を支援する欧州の貢献が具体化した。
・供給されるエンジンは「RELIANCE(リライアンス)」と名付けられた推力$6text{kN}$のバイプロペラント(二液式)ロケットエンジンである。
・本エンジンは推力調整(スロットリング)が可能で、月面への精密な軟着陸制御を実現するよう設計されている。
・開発と製造は、かつてアポロ計画のエンジン開発にも関与した歴史を持つ英国バッキンガムシャー州のウェスコット施設で行われる。
・Argonautは2030年代初頭の初飛行を目指しており、月面への物資輸送や宇宙飛行士の支援を担う「欧州初の月着陸機」となる。
・英国宇宙庁(UKSA)は、この選定が国内宇宙セクターの技術力と成長を示すものであるとして歓迎の意を表明した。
【編集部コメント】
欧州が悲願とする「自律的な月面アクセス能力」の要となるエンジンを、英国企業が担当することの戦略的意義は大きいです。
ウェスコットは英国のロケット開発の聖地であり、そこで開発される「RELIANCE」がNASAアルテミス計画の物流を支えることになるのは、EU離脱後の英国がESA内で確固たる地位(特に推進系分野)を維持している証左と言えます。
ThalesAleniaSpaceが全体を統括しつつ、重要コンポーネントを加盟国間で分担するESAの産業政策が機能している好例です。
【出典情報】
公式リリース
なし
参照情報(報道)
MEM Magazine:
https://memuknews.com/inmotion/space/nammo-uk-wins-main-engine-supplier-for-esa-argonaut-lunar-lander/
Aero-mag:
https://www.aero-mag.com/nammo-uk-to-provide-main-engine-for-esas-argonaut-lunar-lander/