【要点】
・英国のロケット開発企業Orbexが、欧州宇宙機関(ESA)の「欧州ランチャー・チャレンジ(ELC)」において、競合他社に対し遅れをとっている。
・主な要因は、英国政府による同プログラムへの国家資金拠出(コ・ファンディング)に関する決定が大幅に遅れていることにある。
・対照的に、ドイツのIsar AerospaceやスペインのPLD Spaceといったライバル企業は、すでに自国政府からの強力な財政支援を確保し先行している。
・ELCは、欧州の自律的な宇宙輸送能力を確保するための競争的調達プログラムであり、選定企業にはESAからの開発支援とサービス購入契約が与えられる。
・Orbexはスコットランドのサザーランド宇宙港からの「Prime」ロケット打ち上げを計画しているが、公的資金の裏付けがない現状では計画に遅延が生じる恐れがある。
・報道によると、英国宇宙庁(UKSA)内での予算配分調整が難航しており、正式な決定は年明け以降にずれ込む可能性があるとされる。
・業界関係者は、この遅延が英国の宇宙産業エコシステム全体の競争力を削ぐことになりかねないと懸念を表明している。
【編集部コメント】
先日、スペインがPLDSpaceへの巨額支援を即断しESA内での地位を高めたのとは対照的に、英国の動きの鈍さが浮き彫りとなりました。
ELCのような国際コンペでは、企業の技術力以上に「本国政府のコミットメント」が勝敗を分ける決定打となります。
サザーランドという欧州初の垂直打ち上げ射場を持ちながら、肝心のロケット開発で仏独西に後れを取ることは、ポストBrexitの英国宇宙戦略にとって痛恨の失策となりかねません。
【出典情報】
公式リリース
Growth and security at the forefront in UK funding boost for European Space Agency:
https://www.gov.uk/government/news/growth-and-security-at-the-forefront-in-uk-funding-boost-for-european-space-agency
参照情報(報道)
Payload:
https://payloadspace.com/breaking-down-europes-launch-funding/