【要点】
・イスラエルの宇宙スタートアップ「Moonshot Space」がステルスモードを解除し、1200万ドル(約18億円)の資金調達を発表した。
・同社は従来の化学ロケットを使用せず、電気エネルギーのみで貨物を宇宙へ射出する「電磁ランチャー」を開発している。
・システムは長いチューブ状の加速器で構成され、電磁コイルを用いてペイロードを秒速8km(第一宇宙速度)まで加速させる。
・主な輸送対象は燃料、原材料、消耗品などの「貨物」であり、発射時に強力なG(重力加速度)がかかるため有人飛行には適さない。
・創業メンバーには、元イスラエル科学省局長で迎撃システム「アイアンドーム」開発にも携わったヒラ・ハダド・スメルニック氏らが名を連ねる。
・化学燃料を排除することで、打ち上げ重量におけるペイロード(積載物)比率を従来の約$4%から45%$以上へ劇的に高めることができる。
・現在はカイサリアに拠点を置いており、今後5年以内に軌道上への貨物輸送を実現することを目指している。
・報道によると、すでにD-OrbitやOrbit Fabといった軌道上サービス企業と予備的な利用契約を結んでいるとされる。
【編集部コメント】
「ロケットを使わずに宇宙へ行く」という構想は古くからありますが、米国のSpinLaunch(遠心力)に対し、Moonshotはリニアモーターカーに近い電磁加速(レールガン/コイルガン方式)を採用している点が特徴です。
特筆すべきは、イスラエルの防衛産業で培った迎撃ミサイル技術やシステム工学の知見が民間に還流されている点です。
軌道上での燃料補給や製造(ISAM)市場が立ち上がる中、人間や精密機器以外を安価に運ぶ「宇宙の貨物列車」としての地位を確立できるかが焦点となります。
【出典情報】
公式リリース
なし
参照情報(報道)
The Times of Israel:
https://www.timesofisrael.com/israeli-startup-unveils-quest-for-electromagnetic-launcher-to-shoot-cargo-into-space/
CTech:
https://www.calcalistech.com/ctechnews/article/bklyq7jwzx