【要点】
・ESAはARTES先端技術プログラムの一環として、宇宙の持続可能性に対応する新たなITT(招標)を発出した。
・通信分野で大型のナノ衛星コンステレーション(多数の小型衛星で通信サービスを提供)が急増し、宇宙デブリと軌道混雑のリスクが高まっているとの課題認識を示した。
・既存のCubeSatベース設計は、厳格化するデブリ低減要件やコスト効率の高い量産に必ずしも適していないとして、革新的な解決策が必要だと説明した。
・ESAは大型通信衛星群向けに、宇宙デブリ低減要件に完全準拠した次世代マイクロ衛星プラットフォームを設計・開発・製造・試験する提案を募集している。
・改善目標として、パッシベーション(残留エネルギーの無害化)、迅速で確実なデオービット(運用終了後の離軌)など進化するデブリ規則への適合と、既存のナノ衛星設計に比べた負担低減を掲げた。
・活動には、ESSB-ST-U-007(ESAの宇宙デブリ低減要求)に適合し量産コストを意識した構体・中核アビオニクス設計、工学モデルと展開システムの製造・試験、ECSS(欧州宇宙製品保証標準)に沿う品質・製造計画の整備が含まれる。
・目標TRLは4(要素技術が実験室レベルで実証された段階)とされ、提案締切は2026/02/06 13:00(CET)と示された。
【編集部コメント】
本件は、ESAの通信技術開発枠であるARTESと、ゼロデブリ・アプローチ(2030年までに価値の高い軌道で新たなデブリ発生を大幅に抑える方針)を接続する施策として位置付けられる。
民間通信コンステレーションの拡大局面で、設計段階からデブリ要件と量産性を両立する標準的な小型衛星基盤の確立を促す狙いがうかがえる。
【出典情報】
公式リリース
New ITT: Space Debris Compliant Microsatellite Platform for Large Satcom Constellations:
https://blogs.esa.int/cleanspace/2025/12/02/new-itt-space-debris-compliant-microsatellite-platform-for-large-satcom-constellations/
参照情報(報道)
ESA Clean Space blog:
https://blogs.esa.int/cleanspace/2025/12/02/new-itt-space-debris-compliant-microsatellite-platform-for-large-satcom-constellations/