【要点】
・英防衛大手BAEシステムズは、次世代の偵察衛星クラスター「Azalea(アザレア)」の打ち上げに成功した。
・このクラスターは4機の衛星で構成され、合成開口レーダー(SAR)や無線周波数(RF)センサーを搭載している。
・最大の特徴は、軌道上でデータを即座に処理する「エッジAI(人工知能)」技術を採用している点である。
・これにより、テラバイト級の生データを地上に送る時間を省略し、重要な情報のみを数分でユーザーへ提供できる。
・衛星は、雲を透過して撮影できるSARや、地上の通信機器を検知するRFセンサーにより、悪天候下でも目標を特定する。
・スコットランドのBright Ascension社が開発した飛行ソフトウェアが、衛星の自律運用とミッション制御を支えている。
・本システムは、軍事作戦における意思決定の迅速化や、災害時の状況把握能力を大幅に向上させる目的がある。
・今回の打ち上げは、英国が目指す独自の宇宙監視・偵察(ISR)能力の強化に向けた重要な一歩と位置付けられる。
【編集部コメント】
防衛大手が自社資金で開発した「Azalea」は、単なる観測衛星ではなく、宇宙空間を「データ処理センター」に変える野心的な試みです。
特に、通信帯域が制限される戦術環境下において、AIが抽出した「答え」だけを前線へ即時に送る機能は、現代戦のニーズに合致します。
衛星製造のIn-SpaceMissions社やソフト開発のBrightAscension社など、英国内のサプライチェーンを結集して実現した点も、産業戦略としての意義深いです。
【出典情報】
公式リリース
British designed satellites successfully launched in space:
https://www.baesystems.com/en/article/british-designed-satellites-successfully-launched-in-space
参照情報(報道)
Space Connect:
https://www.spaceconnectonline.com.au/launch/6865-bae-systems-successfully-launch-azalea-satellites
Computer Weekly:
https://www.computerweekly.com/news/366635642/British-space-comms-tech-heads-into-orbit