【要点】
・カナダ政府は、国内の地球観測データ(衛星で地表や海氷などを観測するデータ)へのアクセス確保に約4,700万カナダドルを投じる方針を公表した。
・カナダ宇宙庁(CSA)は、RCM(RADARSAT Constellation Mission=カナダのレーダー地球観測衛星群)の追加衛星をMDA Spaceに「製造・試験・打上げ」まで一括で委託する意向だとした。
・追加衛星の供給を早めるため、MDA Spaceに4,470万カナダドルを付与し、専用部品(調達に時間がかかる部材)の先行購入に充てると説明された。
・政府は、SAR(合成開口レーダー=雲を通して地表を観測できる)の能力を維持・発展させる目的で、次世代の地球観測衛星システム開発も同時に進めるとした。
・次世代システムの概念検討として、C-CORE、Kepler、MDA Spaceの3社に各最大74.7万カナダドルを交付し、7か月でコンセプトスタディ(ミッション案、設計、技術要件、必要技術の整理)を提出させる計画だとされた。
・RCMのデータは、自然災害対応、海氷監視、北方地域への物資輸送支援などに用いられ、連邦政府の10超の機関が活用していると説明された。
・今回の契約群は、2023年10月に表明された「15年で総額約10.12億カナダドル」の地球観測投資の枠内に位置付けられるとされた。
【編集部コメント】
本件は、既存RCMのデータ継続(追加衛星)と、次世代システムの設計検討(3社の概念研究)を同時に進める施策として位置付けられる。カナダが「主権的な地球観測データ確保」を、防災・北方域の安全保障・環境監視と結び付けて制度的に支える流れの一部と整理できる。

【出典情報】
公式リリース
Government of Canada invests $47 million to secure access to essential Canadian Earth observation data
参照情報(報道)
Space Connect Online
GoGeomatics