【要点】
・フィンランドの技術企業Huldが率いるコンソーシアムが、新たな衛星用アンテナ技術を発表した。
・欧州宇宙機関(ESA)の支援プログラム「NAVISP」の下、小型衛星向けの展開型Kaバンドアンテナを開発した。
・本プロジェクトには、アンテナ設計企業のRadientumやフィンランド気象研究所(FMI)も参画している。
・開発されたアンテナは、収納時はCubeSat(超小型衛星)規格に収まるコンパクトさを持ち、軌道上で展開する。
・35GHz帯のKaバンドを利用することで、従来の小型アンテナよりも高精度なナビゲーション信号の受信が可能となる。
・プロトタイプを用いたESA技術センター(ESTEC)での試験において、シミュレーション通りの性能が実証された。
・報道によると、この技術は次世代の地球周回ミッションや月探査機への搭載が期待されている。
【編集部コメント】
小型衛星、特にCubeSatクラスにおいては、物理的なサイズ制約から高性能なアンテナや通信機器の搭載が困難であり、これがミッションの高度化を妨げる要因の一つとなっていた。
本件は、折り畳み式の展開機構と積層パッチ技術を組み合わせることで、その課題を克服した点に大きな意義がある。Kaバンドは通信速度と測位精度の両面で有利であり、この技術が実用化されれば、小型衛星によるインフラ監視や科学観測の質が飛躍的に向上するだろう。

【出典情報】
公式リリース
NAVISP-EL1-083: Deployable Satellite Navigation Antenna
参照情報(報道)
Inside GNSS