【要点】
・ノルウェーの防衛大手Kongsberg Defence & Aerospace(コングスベルグ)とドイツの防衛AI企業Helsing(ヘルシング)が2025年12月12日、新たな提携を発表しました。
・両社は2029年までに、欧州独自の宇宙基盤型情報・監視・標的補足(IST)衛星コンステレーションを配備することを目指しています。
・この計画には相互接続された通信レイヤーも含まれており、欧州の防衛能力における自律性を強化する狙いがあります。
・ドイツのセンサーメーカーHENSOLDT(ヘンゾルト)が、合成開口レーダー(SAR)、電気光学(EO)センサー、電子戦センサーなどのペイロードを供給します。
・コングスベルグは衛星プラットフォームとシステム統合を、ヘルシングはAIを活用したデータ分析とセンサー融合を担当します。
・打ち上げサービスプロバイダーとして、ドイツのIsar Aerospace(イザール・エアロスペース)が優先パートナーに選定されました。
・打ち上げは、ノルウェーのアンドーヤ宇宙基地(Andøya Spaceport)から行われる予定です。
・この取り組みは、ウクライナ紛争での経験を踏まえ、高頻度の情報収集とリアルタイムの戦場認識能力の重要性が高まったことを背景としています。
【編集部コメント】
本提携は、欧州が米国依存からの脱却を図り、独自の宇宙防衛能力を構築しようとする動きの象徴的な事例として位置付けられます。特に、ハードウェア(衛星・センサー)とソフトウェア(AI分析)の統合、さらには打ち上げ能力までを欧州域内で完結させる「エンドツーエンド」のアプローチは、戦略的自律性の確保に向けた強い意志を示しています。また、ノルウェーとドイツの二国間防衛協力の深化を示すものでもあり、今後のNATO内での宇宙作戦能力向上にも寄与すると考えられます。

【出典情報】
公式リリース
KONGSBERG and Helsing team up to realise European space ambitions
参照情報(報道)
Payload Space
Space Intel Report