【要点】
・2025/12/12の報道によると、オランダのStellar Space Industriesは、VLEO(超低軌道、高度160〜450km)で衛星の軌道維持を可能にする技術の開発方針を示した。
・同社は防衛・災害対応などの二重用途(民生と安全保障の両方で使える用途)を念頭に、低高度での高解像度観測や低遅延通信の利点を訴えた。
・VLEOは大気抵抗(空気の抵抗)で軌道が急速に低下しやすく、従来は運用が難しい領域だと報道で説明された。
・同社が開発するABEP(大気吸い込み式電気推進、周辺の希薄な大気粒子を取り込み推進剤として使う方式)は、取り込み・圧縮・貯蔵・イオン化・加速を連続的に行い、抗力を相殺する推力を出す構想だと報じられた。
・報道によると、同社は推進系の内部部材にガスが接触しない設計により、侵食(部材が削れる劣化)を抑える考えを示した。
・推力は現状5〜10mN(ミリニュートン、推力の単位)で、将来は20mN以上を目標とし、CubeSat(超小型衛星)ではなく150kg級以上を主対象にする方針だとされた。
・同社はTRL(技術成熟度を示す指標)4〜5に到達し、今後6〜12カ月でTRL5〜6を目指し、初回の軌道上実証に向けてパートナーや投資家を募っていると報じられた。
【編集部コメント】
VLEO(超低軌道)は高解像度観測や低遅延通信の利点がある一方、大気抵抗で寿命が短くなりやすい。ABEP(大気吸込み型電動推進)は「推進剤を持ち込む」前提を崩し、抗力補償と自然再突入(デブリ低減)を両立させる発想として位置付けられる。欧州では衛星の持続可能性を高める議論が進んでおり、関連技術の実証計画が注目点となる。
【出典情報】
公式リリース
Design and De-risking of ABEP residual gases collector system
参照情報(報道)
IO+