【要点】
・2025/12/12に英国の帝国理工大は、月周回基地ゲートウェイ(有人探査向けの月周回拠点)で使う小型磁力計MAGICの準備状況を発表した。
・同大は、MAGIC(同大製の磁力計)を欧州放射線センサー群ERSA(放射線・粒子を測る装置群)の搭載機器として、統合作業のために引き渡したと説明した。
・ERSAは、ゲートウェイに搭載される計測ペイロードで、宇宙天気(太陽活動に伴う高エネルギー粒子などの環境変化)を観測し、放射線リスク評価に使う計画だとされた。
・MAGICは、磁場データを提供し、ERSAの粒子観測データの解釈や放射線危険度の見積もりに役立てる狙いがあるとされた。
・ゲートウェイのPPE(電力・推進モジュール)に直接取り付ける前提で、機体由来の磁気ノイズが大きい環境でも測れるよう、干渉低減や検証を進めたとされた。
・MAGICは磁気抵抗効果(磁場で電気抵抗が変わる現象)を利用し、従来型より電力と質量を抑える設計だと説明された。
・放射線試験では、部品が最大140krad相当の線量(電子機器が耐える放射線量の目安)に耐えることを確認し、想定環境に対する余裕を示したとされた。
【編集部コメント】
アルテミス計画で整備が進む月周回拠点では、放射線環境を継続監視し運用判断に反映する仕組みが重要になる。欧州・英国の計測機器開発は、有人探査の安全設計と宇宙天気対応を支える基盤技術として位置付けられる。
月周回拠点「ゲートウェイ」の外側に設置される欧州の放射線観測装置「ERSA」には、インペリアル・カレッジ・ロンドンが開発した超小型磁気計「MAGIC」などが搭載され、太陽風や放射線のリアルタイム監視を担います。
【出典情報】
公式リリース
ESA – MAGIC sensor
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