【要点】
・2025/12/8にDeltaV Space TechnologiesのMehmet Kahraman氏は、国産の化学推進(燃料を燃焼させ推力を得る方式)システムが複数規模の衛星で運用され、軌道上での運用実績を積み上げていると述べた。
・同氏は、DeltaVは2017年に国防産業当局(SSB)の子会社として設立され、トルコの独自の宇宙アクセス確立に必要な技術やサブシステム開発を目的としていると説明した。
・同氏は、同社がサウンディングロケット(実験用の小型ロケット)で高度100km超に到達する機体を開発し、得た技術を防衛産業分野の開発にも展開してきたと述べた。
・報道によると、同社はトルコ宇宙庁(TUA)とTUBITAK Spaceと協力し、国産推進系を搭載した宇宙機で月面へのハードランディング(衝突着陸)を目指しており、2027年の打上げ計画に言及した。
・同氏は、衛星の軌道維持や姿勢制御、軌道修正に必要な化学推進系は従来は輸入が中心だった一方、国産化した推進系を国内の衛星開発企業に供給していると述べた。
・同氏は、軌道遷移用エンジン(軌道間を移動するための推進系)として、衛星や大型宇宙機の軌道変更に用いる液体推進エンジンの開発を進めていると述べた。
・同氏は、ハイブリッドロケット(固体燃料と液体酸化剤を組み合わせる方式)の内部弾道(燃焼室内の燃焼・流動特性)技術を拡大し、極超音速試験プラットフォームで高度200km超に達して世界記録を更新したと述べた。
・同氏は、ラムジェット(超音速域で空気を圧縮して燃焼するエンジン)推進系をMach 2.5程度で実環境試験し、地上発射のロケットモーターでラムジェットを投入する試験が初の事例になったと述べた。

【編集部コメント】
トルコは国家宇宙政策の下で独自の宇宙アクセス確立を掲げ、推進系の国産化を進めている。衛星運用での輸入依存低減に加え、月探査の技術実証や防衛分野の高速推進へも接続する動きとして位置付けられる。
2025年12月現在、トルコは「国家宇宙計画」に基づき、DeltaV社が開発した世界初の軌道上でのハイブリッドロケットエンジン点火を目指す軌道間輸送機(OTV)「FGN-TUG-S01」の運用を開始しています。この技術は、2026年に予定されている月探査ミッション「AYAP-1」での月面ハードランディング(硬着陸)の基盤となるほか、将来的には独自の測位システム「Ulugbey」や防衛用の高速推進システムへの応用も期待されています。

【出典情報】
公式リリース
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参照情報(報道)
Anadolu Agency
Türkiye Today