【要点】
・豪州アデレードに拠点を置くNeumann Space社が、金属燃料を用いた電気推進システムの実用展開を加速させています。
・同社の推進機は、燃料としてモリブデン(銀白色の硬い金属。
・融点が高く宇宙環境での耐久性に優れる素材)の固体ロッドを採用しています。
・パルス陰極アーク推進機(電気放電によって金属燃料をプラズマ化し噴射する装置)という独自の仕組みで、精密な推力を生成します。
・従来のガス燃料と異なり、常温常圧の固体状態(気体や液体の加圧タンクを必要としない形態)で貯蔵可能なため、安全性が高く衛星への統合や輸送が容易です。
・2025年1月に打ち上げられたEDISON衛星など複数のミッションを通じて、軌道上実証(実際の宇宙空間での動作確認試験)に成功しました。
・運用実績に基づくフライトヘリテージ(機器の信頼性を示す運用履歴)を確立し、商用製品としてのグローバル供給を本格化させています。
・将来的には、軌道上の宇宙ごみ(役割を終えた衛星の破片など)を燃料として再利用する循環型の宇宙利用を目指しています。
・欧州や米国の衛星製造業者との提携を拡大しており、小型衛星市場における標準的な推進技術としての普及を推進します。
【編集部コメント】
本技術は、従来のキセノン等のガス燃料に依存しない革新的なアプローチであり、衛星の安全性と運用柔軟性を大幅に向上させます。特に注目すべきは、宇宙ごみを再利用するサーキュラーエコノミー(循環型経済)への貢献です。実験フェーズから実用フェーズへと移行し、豪州が宇宙輸送の重要コンポーネント供給国として台頭する動きを象徴しています。
【出典情報】
公式リリース
Neumann Drive firing on Edison
CisLunar Industries to Procure Neumann Drive®under U.S. Space Force Project
【参照情報(報道)】
TS2.tech