【要点】
・2025/12/17の報道によると、米国の大手IT企業(ハイパースケーラー=巨大クラウド事業者)と宇宙企業が、AIとクラウドの電力需要増への対応として、太陽光で動く軌道上データセンター(地球周回軌道で計算処理する設備)を検討している。
・同報道では、軌道上では太陽光発電(宇宙で安定的に得やすい電力)により、地上の電力網・土地・冷却用水の制約を受けにくい点が利点として挙げられた。
・同報道は、NVIDIAが支援するStarcloudが軌道上コンピューティング実証(宇宙で計算機を動かす試験)を実施したと伝え、NVIDIAの公式記事では同社がH100 GPU(AI計算に使う高性能半導体)の宇宙投入計画と将来5GW級の構想を示している。
・Googleの公式情報では、Project Suncatcherとして、TPU(Google独自のAI向け半導体)を載せた衛星群と自由空間光通信(光で行う衛星間通信)の設計研究を公表し、2027年初頭までに試作衛星2機を打ち上げる計画を明記した。
・同報道は、Microsoftが大規模な軌道上データセンターの発表はしていない一方、衛星通信を利用した宇宙関連のクラウド運用を支えているとし、Microsoftの公式情報でも宇宙機上でアプリを動かすためのSDKを公開している。
・同報道によると、実装には打上げ・保守コストに加え、放射線耐性、排熱(宇宙では放射でしか熱を捨てにくい)設計、低遅延(通信の待ち時間が短い)でつなぐ衛星ネットワークなどの技術課題が残る。
・背景として、2025/12/17の報道では国際エネルギー機関がデータセンターの電力需要が2030年までに倍増すると見込むとされ、電力確保策の多様化の中で宇宙側の計算資源が検討対象になっている。
【編集部コメント】
AIの電力制約が顕在化する中、地上での電源確保策と並行して、宇宙で太陽エネルギーを使う計算基盤を探る動きとして位置付けられる。熱設計・放射線耐性・通信要件が実装の主要論点である。
【出典情報】
公式リリース
Project Suncatcher explores powering AI in space
【参照情報(報道)】
Forbes
Trefis