【要点】
・フィンランドの衛星運用企業アイサイは2025年12月18日、ドイツ国防省より総額17億ユーロ(約2,700億円)の大規模な防衛契約を受注したと発表しました。
・ドイツの防衛大手ラインメタル社との合弁会社を通じて、ドイツ連邦軍に対し専用のSAR(合成開口レーダー:天候や昼夜を問わず地表を観測できる)衛星コンステレーションを提供します。
・本契約は2025年末から5年間にわたる運用を予定しており、期間の延長を選択できるオプション項目も含まれています。
・提供される画像データは、ドイツの「リトアニア旅団」の保護や、北大西洋条約機構(NATO)の東部戦線の安全確保を主な目的として活用される予定です。
・衛星群は高度2,000km以下の低軌道(LEO)に配置され、地上の管制やAI(人工知能)を活用した画像解析サービスまでを含めた包括的なソリューションとして運用されます。
・ドイツ国内のノイスに拠点を置く合弁会社において、2026年第3四半期より最初の共同開発衛星の生産を開始する計画です。
・今回の受注は欧州の商業宇宙企業による防衛契約としては過去最大規模であり、政府による「ニュースペース」技術の採用が本格化している実態を示しています。
【編集部コメント】
本契約は、欧州の安全保障戦略が従来の大型衛星から、即応性と耐障害性に優れた小型衛星群へと大きくシフトした一環として位置付けられます。アイサイ社が提供する高頻度のレーダー観測能力は、現代の紛争において不可欠な情報の基盤となります。民間技術の導入が国家の防衛力を直接的に強化する、宇宙産業의成熟を象徴する極めて重要な事例と言えるでしょう。
【出典情報】
公式リリース
ICEYE and Rheinmetall win major contract worth billions for space reconnaissance
【参照情報(報道)】
Proactive Investors
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