【要点】
・米国の宇宙開発企業であるスペースXが、2026年に予定する新規株式公開(IPO:未上場企業が株式を一般公開すること)に向けて複数の投資銀行と本格的な協議を開始した。
・同社のブレット・ジョンソン最高財務責任者は、2025年12月12日付の株主宛て書簡の中で、最大25.6億ドルの既存株式売却を実施し企業価値を約8,000億ドルに高める方針を示した。
・株式公開が実現した場合の時価総額(企業の価値を評価した総額)は、過去最大規模だったサウジアラムコを上回る1.5兆ドルから1.6兆ドルに達する可能性がある。
・資金調達の主な目的は、高度2,000km以下の低軌道(LEO)に配置した通信衛星を基盤とする、AI(人工知能)専用의データセンター群を構築することである。
・イーロン・マスク最高経営責任者は、地上での電力供給不足や法的規制を回避するため、太陽光が豊富で冷却効率の高い宇宙空間への演算機能移転を急いでいる。
・2025年12月16日の報道によると、宇宙データセンターは真空状態での高速なレーザー通信を活用し、地球上のあらゆる場所へ低遅延でAI処理結果を送信することを目指す。
・調達した多額の資本は、超大型ロケット「スターシップ」の運用拡大や月面基地の建設、さらに将来の火星探査といった同社の長期目標を支える基盤となる。
・市場関係者は、今回の動きが単なるロケット事業から「軌道上のデジタルインフラ企業」へと同社が進化する重要な転換点であると評価している。
【編集部コメント】
本件は、通信サービスから高度な演算インフラへと事業領域を拡張することで、宇宙企業が地上のIT大手に対抗する構造的な転換点として位置付けられる。地上のエネルギー制約を克服する宇宙データセンター構想を事業の柱に据える戦略は、民間宇宙開発における資金調達と成長モデルに新たな基準を提示している。
【出典情報】
公式リリース

なし
【参照情報(報道)】
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