【要点】
・米国宇宙軍(USSF)は2025年12月、宇宙兵器および主要システムの名称に神話や生物をモチーフとした新たな命名規則を導入すると発表しました。
・この刷新は、従来の無機質な型番表記から各任務の特性を反映した象徴的な名称へと移行し、部隊の「戦闘アイデンティティ(戦う集団としての自覚)」を確立することを目的としています。
・軌道戦(地球周回軌道上における能動的な戦闘)の分野には北欧神話の神々が採用され、第1宇宙運用飛行隊の衛星追跡システムは「ビフレスト」と命名されました。
・サイバー戦(ネットワークを介した攻撃や防御)の分野には、システムの巧妙さを象徴する「神話上の生物(モンスター)」というテーマが割り当てられています。
・電磁戦分野には「ヘビ(スネーク)」、航法戦(人工衛星を用いた測位情報の防護や妨害)の分野には、獲物を追う「サメ」という生物学的なテーマが設定されました。
・通信衛星システムには「星座」、ミサイル警戒システムには「番人(センティネル)」、宇宙領域把握(宇宙空間の状況や物体の動きを常に監視すること)には「幽霊(ゴースト)」という名称が使用されます。
・B・チャンス・サルツマン宇宙軍作戦部長は、これらの象徴が任務の重要性と運用を担う「ガーディアン(宇宙軍兵士)」の誇りを呼び起こすと述べています。
・既存の超短波(UHF)後継通信衛星群が「おおぐま座(ウルサ・メジャー)」と改称されるなど、新造機だけでなく既存システムへの適用も順次進められる予定です。
【編集部コメント】
本件は、宇宙軍が「後方支援組織」から独立した「戦闘組織」への文化的な転換を図る一環として位置付けられます。象徴的な名称の導入は、他軍種との差別化を図り、目に見えにくい宇宙空間での任務を具体化する構造적整理と言えます。神話や生物を用いたブランド構築は、兵士の士気向上と対外的な抑止力の誇示を意図したものと考えられます。
【出典情報】
公式リリース
Saltzman lauds Guardians, Space Force progress at Spacepower 2025
Space Force Weapon Systems Cards
【参照情報(報道)】
The Debrief
Space.com