【要点】
・日本政府は2025年12月19日、過去最大となる総額約9兆7000億円の2026年度当初予算案を閣議決定した。
・宇宙領域の防衛体制を強化するため、多数の小型衛星を高度2,000km以下の低軌道(LEO)に配置する「衛星コンステレーション(多数の小型衛星を連携させて運用するシステム)」の構築費用を計上した。
・この衛星群は、マッハ5以上の速度で飛行する「HGV(極超音速滑空兵器:複雑な軌道で高速飛行する兵器)」を探知および追尾し、既存の迎撃システムを補完することを目的としている。
・2026年度中には、不審な衛星や宇宙ゴミの動向を監視する「SDA(宇宙領域把握:人工衛星やデブリの状況を監視すること)」専用の人工衛星を打ち上げる計画を明記した。
・組織面では、航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」へと改称し、宇宙・サイバー・電磁波を組み合わせた領域横断的な作戦能力を本格化させる。
・長射程ミサイルを用いた「反撃能力(敵の射程圏外から攻撃を行う能力)」の早期取得に向け、関連するミサイルの量産や配備費用を重点的に配分した。
・報道によると、米国との情報共有を強化するため、日米間での衛星データの相互利用を円滑にする地上設備の整備も進める予定である。
・今回の予算案は、5年間で総額43兆円を投じる防衛力整備計画の4年目にあたり、防衛費の対GDP比2%達成を前倒しで目指す構えである。
【編集部コメント】
本予算案は、宇宙を戦闘領域と定義し、従来の航空防衛に宇宙監視を統合する日本の安全保障政策の転換点として位置付けられる。特に小型衛星群を用いた監視網の構築は、極超音速兵器などの新たな脅威への対応策として不可欠な要素となっている。防衛費の対GDP比2%への到達を加速させる方針が鮮明に反映されている。
【出典情報】
公式リリース
令和8年度予算案のポイント(防衛省)
【参照情報(報道)】
The Japan News
Japan Today