【要点】
・米国議会は2025年12月、宇宙軍が計画する「宇宙軍特殊作戦構成部隊司令部」の新設または拡大に対する予算執行を一時的に禁止する方針を決定しました。
・2026年度NDAA(国防権限法:米国の国防予算や政策の枠組みを規定する法律)に盛り込まれたこの規定は、宇宙軍が詳細な報告書を議会に提出するまで資金活用を認めないとするものです。
・議会が要求する報告書には、部隊新設のタイムラインや必要な施設、軍人および民間人、契約業者の人員構成などの具体的な詳細が含まれる必要があります。
・議員や国防専門家からは、既存の米国宇宙軍(USSC)と任務が重複し、軍内部で官僚的な混乱や不必要な冗長性が生じることへの懸念が示されています。
・また、宇宙専門の兵士であるガーディアンを実地での特殊作戦に投入することの妥当性や、小規模な宇宙軍にそれを支える訓練インフラが備わっているかが疑問視されています。
・宇宙軍側は、他の軍種と同様の構成部隊を持つことは、統合部隊内での指揮命令系統や役割、責任の所在を明確にするために不可欠な一環であると主張しています。
・現在、フロリダ州のマクディル空軍基地にはSOCOM(統合特殊作戦軍:各軍の特殊部隊を統合運用する組織)を支援する小規模な宇宙軍要素が既に存在しています。
・本件は、宇宙軍が単なる支援組織から独自の戦闘アイデンティティ(軍としての戦う特性や自覚)を持つ組織へと進化する過程での、重要な検証段階と見なされます。
【編集部コメント】
宇宙軍の特殊作戦部隊創設を巡る議会の動きは、限られた予算と人員をいかに効率的に配分するかという、新設軍種特有の構造的課題を浮き彫りにしています。既存の統合軍との役割分担を明確にすることは、将来の多領域作戦における強靭なインフラ(宇宙活動を支える基盤施設)を構築する一環として位置付けられます。透明性の高い報告書の提出が、組織の成熟に向けた不可欠な整理と言えるでしょう。
【出典情報】
公式リリース

なし
【参照情報(報道)】
DefCros
Defense One