【要点】
・米宇宙軍司令部は2025/12/11の会議で、フランスと軌道上で2回目の宇宙状況把握(衛星やデブリの動きを監視し異常を把握する活動)作戦を実施したと説明した。
・同作戦は多国間部隊「オリンピック・ディフェンダー」(同盟国の宇宙作戦と監視データ共有を統合する枠組み)の下で実施され、米側は「責任ある動的な宇宙運用」を示すものだと述べた。
・仏宇宙コマンドは2025/12/14の声明で、両国が軌道上で共同機動する意思を示す作戦であり、敵対的行動を思いとどまらせるための「動的かつ責任ある運用」だとした。
・報道によると、今回の衛星ランデブー・近接運用(RPO=衛星同士が接近し相対位置を調整する運用)は米仏として2回目で、多国間枠組みとしては初めて共同計画された。
・報道は、RPOが衛星の点検・補給・修理などに用い得る一方、軍事目的での接近行動にもなり得るため、各国が手順を共有して運用する意義を解説した。
・報道によると、民間監視企業COMSPOCは米国のGSSAP衛星USA 324とフランスの通信衛星SYRACUSE 3Aが2025年11月に3回の機動を行い最接近は約25.1kmだったと観測した(GSSAP=静止軌道付近で他衛星を監視する衛星群、静止軌道=地上から同じ地点上空に見える軌道)。
・MNF-OODは7か国が参加し、2025年4月に運用段階へ移行したとされ、宇宙状況把握の共通概念や共同運用枠組みなどの整備を目的に掲げている。
・米宇宙軍司令部は衛星が追跡や妨害電波(ジャミング)、サイバー攻撃などの脅威に日常的にさらされるとの認識を示し、同盟国と訓練して耐性(レジリエンス)を高める必要性を強調した。
【編集部コメント】
同盟国が軌道上機動まで含めて共同手順を整え、宇宙状況把握を実運用で検証する動きが進んでいる。MNF-OODは監視データ共有と統合運用を平時から訓練する枠組みの一環として位置付けられる。
【出典情報】
公式リリース
Multinational Force Operation Olympic Defender
Two members – of Multinational Force – Operation Olympic Defender recently completed another bilateral operation on-orbit under MNF-OOD
Succès de la deuxième manœuvre orbitale conjointe menée par la France et les Etats-Unis, première opération menée dans le cadre de la force multinationale Opération Olympic Defender…
【参照情報(報道)】
Air & Space Forces Magazine
Breaking Defense